紅蓮のリベレーターまでのネタバレ注意。
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古代アラグ帝国とは、今から約5000年前頃まで世界でブイブイ言わせていた大帝国である。当初は昔すぎて本当に実在したのかも怪しい伝説上の幻の国みたいなイメージで語られていたのだけど、今となってはかつて本当に存在していたことは誰だって知っている。
高度に発達しすぎてもはや魔法なのか科学なのかよくわからないような超技術体系『魔科学』を擁し、最盛期には西州(エオルゼア)は勿論、北州(ガレマール帝国本国のあるところ)や東州(ドマのあるところ)まで支配下に置いていた。現代の地球で言えばアフリカとヨーロッパとアジアを全部征服していたような超大国である。
現代のエオルゼアではアラグ帝国と書いて『大体全部こいつらのせい』と読む。まあ実際その通りなんだけど。
そこで、アラグ帝国がどんな国で、どのようにして興り、そしてどのようにして滅んだか、それを私が知る範囲で概説してみようと思う。
黎明期〜建国期: 今から約6000年ほど前にあったと推測されている第三霊災は、大規模な宗教戦争で弱ったところに記録的な日照りと大干ばつでトドメという形をとっていた。
故に、霊災後は「大体全部悪いのは宗教だ」ということになって、まじない師や神官の子孫達(≒魔法使い)が大層肩身の狭い思いをしていた。
そんな時代に現れた青年ザンデは敢えてそんな迫害対象であった魔法使い達をまとめ上げ、従来の宗教家としてではなく『魔道士』すなわち魔法という技術体系のエキスパートとして重用した。
ガチムチの脳筋だらけの殴り合いにいきなり投入された魔道士の集団は日頃の鬱憤を晴らすが如く驚異的な戦闘力を発揮し、彼らのリーダーであったザンデを一国の主の座にまで押し上げる。
彼が初代の皇帝、すなわち始皇帝となった国の名前をアラグ帝国という。ちなみに皇帝という称号には王より偉いもの、帝国というのは大小の王国を従える大国というニュアンスがある。彼らの言わんとすることを伺わせるネーミングである。
これだけ聞くとザンデは当時の魔法使い迫害の風潮の中では珍しい、柔軟な価値観(と強い領土的野心)を持った人物のように見える。実際彼は彼自身が優れた戦士であったにもかかわらず、積極的に魔法も学ぼうとした。トップがそこまでする必要ある? 敢えていらんところまで踏み込んでいくスタイル。多分、凝り性なんだな。座右の銘は『やるなら極めろ』とかだったに違いない。
社会的弱者を率いた一人の英雄が世の中の序列をひっくり返したという構図は、今のガレマール帝国の成立の経緯と大体同じだ。とはいえ、魔法をフル活用したか全否定したかという点においてはベクトルが真逆な訳だけど。
ザンデが偉かったのは魔法を選ばれし民による神懸かった奇跡などではなく、単なるいち技術体系に過ぎないものと見なしたことだ。
この価値観の転換によってアラグ帝国では魔法は限られた者のための特別なものではなくなった。日常生活にごくありふれた存在となり、科学との融合が一気に進むこととなった。やがて科学なのか魔法なのか区別が付かないような混沌とした代物ができあがると、ザンデはそれを『魔科学』と呼んだ。
魔科学が発展する契機となったエピソードは今日では以下のように伝えられている。
「巨石の攻撃魔法で埋め立て工事やで!」
「お前、天才かッ!!」
「更にその応用で立派な石造りの家を建てたるわ!」
「貴方が神かッッ!!」
…当時の人類、ちょっと石頭すぎへん? どこのなろう小説かと思ったわ(サーマルショックでビキビキ言ってるアラミゴ正門の大扉を見ながら)。
アラグ帝国は破竹の勢いで快進撃を続け、始皇帝ザンデの代で早くもエオルゼア統一を達成している。その首都は現代のモードゥナの辺りにあったそうな。今から15年前の銀泪湖超蒸発事件(やらかしたのは主にガイウスとミドやん)とか5年前の蛮神バハムート大爆撃祭りとか色々あった影響で銀泪湖の水位が下がって湖底にあった遺跡が顔を出したので、シャーレアンから来た聖コイナク財団(人生の全てをアラグ帝国の研究に捧げる変態考古学者達の集団)が毎日スキップしながら発掘作業に勤しんでいる。
いくら堅牢な石造りとは言っても、5000年も前の建造物が残っているとかアラグ帝国脅威のメカニズムである。今の地球で5000年前と言えば、日本なら縄文時代真っ盛り(丁度稲作を始めた頃)、或いは中国の黄河文明・中東のメソポタミア文明とかそんな時代のこと。アラグ帝国の遺跡はストーンヘンジやピラミッドよりもう少し古い。
始皇帝ザンデの墓とされるものはモードゥナの南側にあり、旧FF14では現地に墓参りに行くこともできた。墓石には河川と知識を司る水神サリャクの紋章が刻まれており、あのアラグ帝国にサリャク信仰なんて発想があったのかと驚かされる。直前の霊災で酷い日照りに苦しめられたからだろうか?
発展期: 順調に発展を続けるアラグ帝国ではあったが、流石に始皇帝ザンデが没して150年も経過するといい加減にダレてくる。そこで更なるブレイクスルーの契機になったのは、昔に掘り出して置物にしていた巨大ロボであった。
始皇帝ザンデの没後に70年ほど経とうかという頃、ある場所でカメムシみたいな妙ちきりんなデザインのロボットが発掘された。それはどうやら宇宙から墜落してきたものらしく、当時のアラグ帝国の魔科学をもってしても全く理解不能なほど高度な科学技術が使用されていた。
当時の研究者達はあの手この手でロボットの構造を解析・修復しようと試みたが、ロボットはそれはもう見事にぶっ壊されていて直すに直せなかったので、最終的には一応建前として研究は続行しつつも実質的には何の成果もない状況が続いた。多分この当時のロボットの使い道で成果を残したものがあったとすれば、庭のオブジェか漬物石としてであろう。
しかし、このロボットが少しずつ自己修復していることが発覚すると状況が一変する。
「何かこれ、勝手に爪と髪の毛が伸びていくんです」
「なにそれこわい」
どうやら周囲のエーテルを糧に自己修復を進めているらしいと分かってからは、試しに様々なエーテルを与えてみてはそれに対する反応を見るという手法でロボットの研究が一気に進む。やがて、あっちこっちから角度を変えて叩いてみること数十年、とうとうロボットの電源スイッチを入れることに成功したのである。
再起動したロボットはいきなりこう言った。
「オッスおらオメガ! よろしくな!!(^-^)y」
ついでにニュッと顔みたいな部品が生えた。何それキモい。それはひょっとして友好の証のつもりでやっているのか?
この巨大カメムシ型ロボット改めオメガを解析することで、アラグ帝国の魔科学は魔改造に魔改造を重ねた魔発展をすることになる。これよりアラグ帝国はいよいよ黄金期に突入するのである。
最盛期: もはやアラグ帝国は敵無しのイケイケモードであった。エオルゼアのあった西州のみならず北州・東州まで大陸の全てを支配下に置き、正にこの世の春を謳歌することになる。アラグ帝国民として生まれるならどう考えてもこの時代に限る。
当時を象徴する代表的な建造物が、現在もモードゥナにある無限太陽光発電所、通称『クリスタルタワー』である。これは太陽光を集めて無限のエネルギーを生み出す夢のような施設で、これによってアラグ帝国民は働かなくても食っていけるようになったと言っても過言ではなかった。
しかし、オメガの研究はアラグ帝国歴600年くらいになって「これ以上はもう無理ニャウ!/(^o^)\」と半泣きの研究者が白旗を揚げたので打ち切られることになった。オメガの全てを理解するのは人類にはまだ早かったのである。なお、当時の横断幕には『祝・オメガの研究完了!!\(^o^)/』と書いてある。無茶しやがって。
オメガは時間凍結装置に入れられて以降数百年の期間を寝て過ごすことになった。カメムシからセミの幼虫にジョブチェンジである。
停滞期: アラグ帝国歴1000年頃。すっかり堕落した生活に慣れてしまった帝国民は、ことごとく食っちゃ寝を繰り返すだけの存在と化していた。当代の皇帝以下全国民が総ニートである。これはひどい。
国の上から下までそんな調子では国土の統治など上手く行くはずも無く、この時代のアラグ帝国ではあちこちで反乱が起こるようになる。
この時代、アラグ帝国のあまりの堕落っぷりに心を痛めるアモンという名の魔科学者が居た。
アモンは考えた。今時の若いもんにはやる気が足りん。ここはひとつアラグ帝国史上最もやる気のあった人物、すなわち始皇帝ザンデを呼んできて活を入れてもらおう。
アモンは1000年かけて積み上がった魔科学の知識と技術の粋を総動員して始皇帝ザンデの復活を試みた。まずはウネやドーガといった当時の皇族のクローンの製造に成功、次いで本命のザンデのクローンの製造にも成功する。
このアラグ帝国の赤い奴は恐らくこう言った。
「アラグ帝国の真の戦いはまだこれからですぞー!」
末期: アラグ帝国脅威のメカニズムによって何をどうやったのか生前の記憶まで保持して復活した始皇帝ザンデは、僅か数日で魔科学の最新の知識を吸収すると当代の皇帝を腹パンして帝位を簒奪、その勢いで帝国民の腑抜けた性根も叩き直し、ついでに南方大陸メラシディアへの侵略戦争を宣言した。この間わずか数か月。やることがせっかちすぎて心拍数500くらいありそう。
当時のメラシディアには肌の黒いヒトや多種多様な亜人種族が集って形成された多民族国家があった他、独自の進化を遂げたドラゴン族が多数棲息していた。アラグ帝国はこれらに万遍なく襲いかかった。彼らは差別をしない。つまり全部殴る。
まず、メラシディアに2匹居たドラゴン族の祖の片割れである光竜バハムートを討ち取った。そしたら次に何故か現地の各民族が闘神(今のエオルゼアでいう蛮神のこと)召喚の儀式を始めたので、これらもまとめて打ち破った。闘神の召喚なんて、一体どこでそんな方法を習ってきたんだろうね。不思議だなー(棒読み)。
しばらくすると倒したはずの闘神が復活してきたので、何度かやりあった挙げ句、仕舞いに取っ捕まえてその能力を有効利用することにした。ここで捕らえた魔神・鬼神・女神の三闘神から搾り取った力により、アラグ帝国のキメラ製造技術は更なる発展をすることになる。これにはアシエンの中の人も苦笑いであろう。
最終的にはドラゴン族までが光竜バハムートを闘神として復活させてきた。一体誰からそんな知恵を(中略)不思議だなー。
今でも5年前にエオルゼアを焼き尽くして現代人みんなのトラウマとなっている蛮神バハムートであるが、闘神デビューを果たした当時から既にもうそれは見事な激おこプンプン丸であった。というか喚び出したドラゴン族の皆さんが「何かこれ想像してたのと違う…」とか言っちゃうくらいのキレキレっぷりに、現場の一同は敵味方揃ってドン引きである。
ノリノリで大暴れするバハムートを相手にザンデは三闘神の力を使って製造した新型キメラ軍団と、異世界ヴォイドから借りてきた妖異の軍勢で対抗した。ヴォイドの妖異はこの世界の生物の死体を依り代として召喚されるという仕様を逆手に取って、戦場で倒れた敵味方の死体を使って妖異を召喚して戦わせるというエンドレスアタックを決行したのである。これが本当のゾンビアタック、なんちて。
しかし、それでも闘神バハムートは強かった。さすがにこれはちょっとヤバいんじゃね?と思われたその時、満を持して400年も寝ていた漬物石が目を覚ます。
「おいすー、オメガたんインしたお^^」
実はこの漬物石には、何だか強そうなものを見付けたらとりあえず捕まえてコレクションするという趣味があった。かぁいいものをお持ち帰りするとか割と良くある話かな?かな? セミの幼虫からポケモンマスターにジョブチェンジである。
エンドレスゾンビアタックによってエネルギー源であるクリスタルをあらかた喰らい尽くしてガス欠寸前となっていたバハムートに、最後の駄目押しとばかりにカメムシ型ポケモンマスターが襲いかかる。
そして、
「バハむーたんゲットだぜ!╭( ・ㅂ・)و̑ グッ」
バハむーたんを捕まえてはしゃぐオメガからモンスターボールを取り上げて再度時間凍結装置に押し込んだ現場の苦労が偲ばれる。お前が本当のMVPだ…。
勝った! 第三星暦完ッ: 南方大陸メラシディアでの勝利に沸き立つアラグ帝国であったが、当のザンデは微妙な表情であった。彼はゲーム中は夢中になるけど、ゲームクリアまで到達してスタッフロールを見てしまうと達成感よりも空しさを感じてしまうタイプだったのである。最期の一撃は、せつない。
人間、暇になると碌なことを考えないものだ。ザンデはボソッとこう言った。
「そろそろ垢消して引退するわ」
問題は、彼がその長い人生で色々経験し過ぎた結果、ある種の破滅願望を持つに至っていたことであった。ザンデは例えばシムシティを止める際にはとりあえず起こせるだけの災害を全部一気に起こして、手塩にかけて育て上げた自分の町を焼け野原にしてから電源を切るタイプだったのである。
彼が企画した最後の祭りは、もはや彼の物となったこの世界をなるたけ無茶苦茶にしてから終わりにしようというものであった。
① 捕まえた闘神バハムートを人工衛星に詰めて宇宙に打ち上げます。
② バハムートは光を操る能力があるので、それを利用して最強に強まった太陽のエネルギーをクリスタルタワーに送ります。
③ クリスタルタワーが受け取った膨大なエネルギーを利用して異世界ヴォイドへの特大サイズの門を開きます。
④ そうすれば普通なら絶対にこちらに来れないような超大物の魔王級妖異(暗闇の雲)がこちらの世界にやって来てレッツパーリィ!します。
⑤ カーニバルだョ!!
⑥ 世界終了のお知らせ。
この横暴が許されることこそが世界の王者たる者の特権というやつである。良い子はこんな世界崩壊ピタゴラスイッチなんて真似しちゃ駄目だゾ☆
そして伝説へ: これは呪いか、それとも罰か。箱詰めにされたバハムートの怨念が成し得たものなのか、はたまたザンデに反抗する誰かの小細工だったのか。まあ関係者の証言によると、実は単なるザンデのうっかりだか何だかで出力の調節が間違っていたというのが真相らしいのだが。
バハムートがみっちり詰まった人工衛星(今日ではそれは『ダラガブ』と呼ばれている)からの送電ビームは、極めて強大なエネルギーとなってクリスタルタワーに叩き付けられた。
それは、仕送りというにはあまりにも大きすぎた。
大きく、
分厚く、
重く、
そして大雑把過ぎた。
それは、正にソーラ・レイだった。
(ソーラ・レイが何なのか分からない人はググってね)
空から降り注いだエネルギーをクリスタルタワーが受け止めた時、その下にあった地盤が耐えきれずに吹き飛び、後に第四霊災と呼ばれることになる未曾有の大地震が発生した。この時、歴史が動いた。地殻も動いた。さすがのアラグ帝国も土台が揺るがされては年貢の納め時であった。
ビームに押されてもりもり地面にめり込んでいくクリスタルタワーの中でアモンは咄嗟に時間凍結魔法を発動、タワー全体を封印することで保護しようとし、その試みはすんでのところで成功する。
かくしてクリスタルタワーは約5000年の時を超えて再び日の目を見るまで地中で眠ることとなったのであった。今までご愛読ありがとうございました。アモン先生の次回作にご期待下さい!
全然関係無いけど週刊少年ジャンプで連載されていた『ジガ-ZIGA-』が打ち切り不可避っぽいのが残念でなりません。誰か命令者ちゃんを救ってあげて!(>_<)
長いので3行で:・大体ザンデとオメガのせいであってアラグ帝国の赤い奴は決して余計なことをやらかしたりはしておりませんぞー!
・(バハ)むーたんだめ〜>< → お前のむーたん宇宙に捨ててこい → (宇宙から)むーたんだめ〜><
・むーたん(ポケモン)のレーザービームでアラグ帝国の人類滅亡
余談: ザンデとかアモンとか、アラグ帝国の遺跡のボスキャラがどいつもこいつも無駄にデカいのは、彼らが受けた肉体強化処置の影響で巨大化してしまったから。
この日記がフレンドのみ公開になっているのは、読み返していてネタがしつこいと思ったから。一度削除したものですが、覚え書き代わりに残しておくことにしました。 当初フレンド限定としておりましたが、少し手直しして一般公開に切り替えました。