ほんとにほんとにほんとにほんとにライオンだ~♪
近すぎちゃって、どうっしよう~♪
かわいくって~……
うーんかわいくはないな。(画像1)
背中乗ってて大丈夫なのかよって心配になるくらい怖いですね><
てゆーかヨシくんさぁ、なんでナイト専用マウントがライオンなのよ。
ナイトっつったら騎馬でしょうよ騎馬。これじゃあサーカスの調教師じゃんか……。ほら、案の定レギオンバイザーがしっくりくる。(画像2)
ん……調教師、待てよ……!?
今を去ること十余年前――(回想入り)
お正月休み、暇を持て余した小学生のかわの君とその友達のよしだ君は、なんとか親の徴収を免れたわずかばかりのお年玉を手に、近所のゲームショップに向かったのだった。
しかし、小学生にゲームソフトは高い。
喧々諤々の議論の末、ぼくたちは特価品の中から一つのカセットを選ぶ。
それは「ジーコサッカー」だった。(画像3)
熱心なサッカー少年だったぼくたちは、意気揚々と家に帰る。
代金は、二人のお金を合わせてぎりぎりの額。高い代金の分だけ、楽しめると純真に信じていた。
カセットに息をふきかけ、ガチャンとスーパーファミコンにセットする。画面に大写しのタイトルが浮かび上がる。
しかしそこには、
『SM調教師瞳2』
の文字が、なぜか踊っていた。
当時は知るべくもないことだが、SFCでは、FC時代と違いライセンスを持たないメーカーが白ロム(ブランクのロム)を入手することは難しくなっていたらしい。そこで、「投売りされている中古ゲームを買ってきて中身を書き換える」という手法が編み出されたていたのだそうだ。
おそらく、中身を書き換えたロムをさいど中古屋に流した不届き者がいたのだろう。そして、それを確認もせず棚においた店主がいたのだろう。
そして不幸にもそれを一本釣りしてしまったのがぼくたちというわけだ。調教師の文字は読めたが、タイトルの意味が分かるはずもない。
明らかにジーコサッカーではないが、ぼくたちはプレイを開始した。
ものがちがう! と正当に主張することはできなかったのだ。ことが大きくなり、親が出張ってくれば、お年玉の脱税がバレてしまう。しかし、泣き寝入りするには大きすぎる金額だった。
プレイ画面はこんなかんじ。(画像4)後ろの額に「悪」と大書されているのが主人公ことぼくだ。
ゲーム内容は、この「ぼく」が借金のかたにさらってきた同級生の少女、「瞳」にSMとは名ばかりの陵辱の限りを尽くすというもの。詳しく知りたい方にはプレイ動画などをあさっていただきたいが、かなりエゲツナイことまでする。
それまでヒーローにしかなったことのない少年には、深刻過ぎるロールプレイだった。
泣きながら、二人でプレイした。
二人だから、プレイできた。
たぶんひとりでやっていたら、こんなかんじになっていただろう。(画像5)
それにしてもこの文脈で「プレイをした」というのは意味深だが、もちろんそういうことではない。
……ぼくたちは、信じていた。
信じていたから、ひたすらにプレイを続けた。
そう、ぼくたちはこの悲惨な状況を、自分達の力で解決できると思っていたのだ。
どんな状況からでも、ハッピーエンドにできると。
瞳を幸せにできると。
探った。
探り続けた。
気づけば、正月休みは終わっていた。
「だめだ」
諦めの言葉を口にしたのは、果たしてどちらが先だったか。記憶に無い。
「ぼくたちには――無理だ」
だけどそれは、ふたりともずっと思っていたことだった。
いくら繰り返そうが、瞳は死ぬか、娼婦に成るか、奴隷のままで、たまになんの脈絡もなく核戦争が起こって終わったりもした。
「……もう、やめよう」
なんでもできると思っていた。
なんにでもなれると思っていた。
どんな世界だって救える。そう思っていた。
そう思っていられる時代を少年時代と言うなら――。
ぼくたちの少年期は、瞳によって閉じられた。
Ce personnage a été effacé.