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エオルゼア古聞奇譚6「凶報」

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 ◆               ◇
◇ エオルゼア古聞奇譚6「凶報」 ◆ 
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エオルゼアを舞台とした物語の掲載を始めました
📓エオルゼア古聞奇譚1「森の家」
📓エオルゼア古聞奇譚2「嵐の前に」
📓エオルゼア古聞奇譚3「予兆」
📓エオルゼア古聞奇譚4「異変」
📓エオルゼア古聞奇譚5「山小屋」
📖エオルゼア古聞奇譚6「凶報」

「わたしたちが襲われたのは、南部森林の蛇殻林(じゃかくりん)というところを歩いてるときでした」

翌朝、エレゼンの男は、普通に話せるぐらいには回復していた。立ち上がるのは、まだつらいようで、ベッドで横になったままである。わたしの魔法は傷を治したり、状態異常を解除したりすることはできるが、体力や生命力のようなものは回復できないので、疲労のような感覚が残ってしまう。これは、ゆっくり休むしか回復させる方法がないのだ。

エレゼンの男はエルレーンと名乗った。

エレゼンは、エオルゼアの先住民で、700年前に大量流入してきたヒューランと激しく争った時代もあったが、現在は融和して共同社会をつくっている。特に黒衣の森にはエレゼンが多く住んでいるため、珍しい種族ではない。

蛇殻林はクォーリーミルという集落から南へ少し進んだところにある。大蛇が脱皮したという伝説があり、そのせいかどうかは知らないが、森の精霊の力が強く働いているため、凶悪な魔物が出没する。山賊ですら立ち入らないような場所だ。

「何だって、そんな危険なところをうろついていたんだ」

ラウルが責めるように言う。蛇殻林を通る道は、かなり古い街道だ。南のザナラーンへと抜けており、かつては重要な物流ルートになっていた。現在は蛇殻林を迂回する新道が整備されており、旧道は、ほとんど廃墟のような状態になっていたはずだ。

「わたしの鞄を取ってもらえますか?」
エルレーンは、答える代わりに使い古した革の鞄を指さした。

ラウルの近くにいた男が、鞄を取ってエルレーンに渡した。
「これを見てください」
エルレーンは鞄から取り出した物をラウルに渡した。
「なんだ、こりゃ。ガラクタにしか見えねえが……」
ラウルの怪訝そうに声に、
「ガラクタですよ」
エルレーンの言葉にラウルが憮然とした顔をする。
「少なくとも、何の役にも立たない物です。恐らくは魔道具の一種だと思いますが、壊れていて動かないのです」

ラウルの細いが筋肉質な腕が伸びてきて、わたしの手に品を落とす。
手のひらに乗るぐらいの小さな物。材質は石のように見える。全体としては円形をしているが、あちこちに突起や溝があり、複雑な形をしている。
「わたしは、それがアムダプールの品ではないかと疑っています」
わたしとラウルが同時に息を呑んだ。

古アムダプール文明

かつて、この黒衣の森に壮麗な都があった。小都市に過ぎなかったマハが突如として黒魔法を強力な武力として行使し、近隣の都市を侵略した。最初の犠牲となったのは都市ニーム。トンベリ病という身の毛もよだつような病が蔓延し、ニームは全滅した。アムダプールの人々は、黒魔法に対抗するため、癒やしと浄化の力をもつ白魔法を編み出した。やがて、マハとアムダプールは全面戦争へと突入し、アムダプールはマハを撃退することに成功したものの、大地のエーテルを枯渇させ、大洪水を引き起こしたという。アムダプールは森の精霊の怒りに触れ、森に呑み込まれて消え去った。伝承では、そう伝わっている。

「わたしたちは、これが発見された蛇殻林にアムダプールへとつながる入り口があると推測しました。そこで、探索隊を編成して、蛇殻林へと向かったのです」
「おまえたちは、トレジャーハンターか」
ラウルがエルレーンに静かに問うと、エルレーンは黙ってうなずいた。

「わたしたちは、これでもウルダハでは名の通った冒険者なのです。南部森林に住まう魔物など、わたしたちの敵ではありませんでした。ところが……」
エルレーンの表情がゆがむ。
「蛇殻林の最深部に差し掛かったところ、突然、頭上から、そいつが現れたのです」

そいつは、一撃で戦死を屠りました。続いて治療士を。対集団の戦いに慣れた人間のような知恵を持っていました。残されたのは、私と槍使いのリグルだけでした。わたしたちは応戦しましたが、すぐにリグルが致命傷を負い、持っていた転移結晶でわたしだけをこの山小屋の近くに飛ばしたのです」
「転移結晶だと?そんな希少な物を、よく持っていたな」
転移結晶とは、希に遺跡から出土するアラグ帝国の遺物と言われる石で、割ることで中に封じられた転移魔法が発動し、思い描いた場所に転移することができる。
「転移結晶は別の探索先で見付けたものです。あまりにも高価なので買い手が付かず、機を見てウルダハの豪商にでも売ろうかと持ち運んでいたのです」

エルレーンは力尽きて、再び眠り始めた。この様子だと、歩けるようになるまでには、1週間ほどかかるかもしれない。

シアは何も言わず、じっとエルレーンの話を聞いていた。
シアの感情のない瞳を見ていると心がざわざわする。
土砂降りを運んできた厚い雲が、音もなく空に広がっていくようだった。


アムダプールの話は白魔道士のジョブクエストで出てきます。マハは蒼天アライアンスレイド「シャドウ・オブ・マハ」で丁寧に語られているので、黒魔道士のジョブクエストと合わせて、わりと印象に残っている人が多いのではないでしょうか。

物語の舞台が少しずつ核心に近付いてきました。FF14は、歴史的な考証がしっかり形作られているので、想像の翼を広げるには十分な下地があります。アムダプール関連の遺跡は「古アムダプール市街」と「古城アムダプール」が探索可能ですね。とはいえ、「シャドウ・オブ・マハ」に比べればコンテンツルーレットで当たることは非常に希だと思います。興味を持たれた方は、観光に出かけたり、白魔道士のジョブクエストを追体験したりされてはどうでしょうか。

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Commentaires (2)

Chihaya Akasaka

Gungnir [Elemental]

あやちゃん、おはようございます♪

きっとそのうち、転移結晶の効力がキャンセルされる、転移無効のエリアが出てきそう♪📖🍀☕

Ayana Spinel'

Yojimbo [Meteor]

ちはちゃん、おはようございます。そのネタは知ってる。

転移の原理はエンシエントテレポの件で描かれているけど、実際に魔法を使用するとしたら、どうなるのかなと考えて書いています。SF系やファンタジー系の物語は設定を作ったり説明したりするのが、書く方も読む方もほんとに大変です。FF14の場合は、かなり設定が作り込まれているし、FF14プレイヤーであれば「蛇殻林」と言えば「ああ、あそこね」となるので、そこが楽で助かります。
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