ある日、とあるモンクが拳を下ろして杖に持ち替えました。
その子はストーリーをずっとモンクでやってきて、DPS以外の生き方を知りませんでした。
でも暁月クリアしたし、他のジョブもやってみようかな、と思って軽い気持ちでヒーラーを始めました。
はじめてヒーラーで行った最初のサスタシャで(あばばば!)ってなりました。
サスタシャってこんなに難しかったっけ?って半泣きになりました。
こりゃダメだってなりました。
ヒーラーおそるべし!むずかしい!ってなりました。
でも即シャキは魅力的だし、もうちょっとやってみようと思って今度はタムタラに行きました。
やっぱり、あばばばばってなりました。
(まとめ進行め……!)ってなりました。
でもがんばったIDの後にMIPをもらうと、脳からなんか気持ちよくなる物質が出てしまいました。
MIP、きもちいいです。
癖になったその子は今度はカッターズクライとかヴィジルとかゼーメルに行ってみました。
後で知った話で、その辺りのIDは一般的に初心者ヒラ殺しと言われてるそうです。心、折れる。
そのレベル帯だと白はスキル回復を持ちません。
半泣きになりながらケアルラを連打しました。
私ヒーラー向いてないかも、と思ったけど、でもMIPをもらうとやっぱり脳から気持ちよくなる物質がでてしまうので、ふらふらとIDに行き続けました。
MIP、やめられないです。
その子はHUDの配置を変え、XHBの設定を吟味し、Youtubeで解説動画を見て、勉強しました。
全てはMIPのためです。
おお、まるでそなたは承認欲求の化け物。現代が生んだ悲しきモンスターか。
ほめられて伸びるタイプと自負するその子は、タンクさんやDPSさんに(こいつ、やるな)と思われて褒められたいのです。MIPよこせ。
でもそのうちに、LV50を超えたあたりから、
だんだんとMIPをもらわなくても気持ちよくなる物質が出るようになってしまいました。
ひゃぁぁぁ……!
ギミック避けれずに1秒後にペロっちゃうDPSさんに急いでカーソルを合わせて、即、迅速レイズするのゾクゾクするよぉ~……!
初見のボスの攻撃ゲージが貯まってく時、全体攻撃だと辺りを付けてメディカラ発動のタイミングがばっちりハマったら頭真っ白になっちゃうよぉ~!!
あ゙あ゙あ゙あ゙~、
回復が間に合わなくてみんな倒れて全員ワイプする時申し訳なさと悔しさと、でも修羅場っぽい感じがして楽しくなってくるよぉ~。
タンクさんの言語がEでスタンス入れないままスタートダッシュを始めた時は超焦って半泣きだけどわくわくしてくるよぉ~!
なんということでしょう。
清く正しく近接DPS一本でやってきたモンクは、
杖に持ち替えてヒーラーをやった結果、ちょっと危ない人になってしまったのです。
脳が気持ちよくなる何かが、ヒーラージョブにはありました。
気づけばヒーラーというジョブに夢中になっていたのです。
IDやってると何か出ちゃいけない何かが脳から出ちゃう~。
そんなこんなでルレやら討滅やらIDやらに通い続け、
そしてとうとうLV90になったのです。
………ううぅぅぅ………
やった~~~!!!!
はぁぁぁぁ、もうこれはベテランと言ってよいのでは……? 最新コンテンツにもヒーラーで行けちゃう? 行けちゃう~!!
(どやぁ……)
これはもうさっそくエキルレに行くしかないでしょう。
マケボでクラシカル装備を揃えたその子(私です)は、うきうき半分、どきどき半分で、エキルレ申請しました。即シャキしました。気持ちいいです。
よ~し! エキルレにヒーラーで突入しちゃうぞ~!!
スティグマフォーだと~!? 望むところだ~!!
(エキルレ終わって)はい、あやうくタンクさんを転がすところでした。
べ、ベネディクション間に合ってよかった……。
IDを出たらMIPを一個いただけましたが、たぶんこれは(もっと頑張るように)という激励の意味でのMIPなのでしょうか?
というかあんな不手際いっぱいあったのにどうしてもらえたんです? 不思議だ……。
どうやらLV90になっても、変わらずぽんこつヒーラーのようです。
うぅ……。
練習が必要だ。練習が必要なのです。
というわけでエキルレに相応しくない、手際の悪い白魔がもしかしたらしばらくCFなどで出没するかもしれません。
もし一緒のパーティーになったときは、どうかその時は、生暖かい目で見守ってくださると嬉しいです。
いつかどこかのエキルレで、
もしかしたらあなたの後ろに、ぽんこつヒーラー(私)がいるかもしれないのです。
ほら……。そこにも……!