伊「裁縫ギルドか・・・そういえば入ったことねぇな」
ういんっ。
富「お帰りなさいませ、ご主人様」
伊「メイドカフェか」
富「いえいえお客様、当店は裁縫ギルドでして、メイドカフェでは・・・」
伊「わかってるよ。オマエが『お帰りなさいませ』とか言うからだろ」
富「はぁ・・・じゃあ『お勤めご苦労様でした』」
伊「刑務所帰りかっ! 見た目こんなでもオレは善良な市民なんだよ!」」
富「今日はどういったご用件でー」
伊「流しやがったな・・・まぁいいや。オレ駆け出しの弓術士なんだけどさ
今まで生産とかしたことないんだわ。で、裁縫ギルドってどんなかなーって思ってね」
富「炊き出しの休日出勤?」
伊「駆け出しの弓術士だよ! どんな耳してんだ、オレは被災地ですいとん振舞う市役所の職員か」
富「当店では布系装備を製作するためのスキルの習得と
製作のための道具や材料の販売、
それとご要望があればワタシが冒険のサポートにお供いたします」
伊「アンタ来てくれんの? え、レベルいくつよ?」
富「60の」
伊「60!? おお、すげぇっ!」
富「素人です」
伊「いらねぇよ! なんだそのカンストの素人ってよ!
もう何年も家から出てない筋金いりのニートみてぇじゃねぇか」
富「いえいえニートではなく素人です。はいっ! ごいっしょにーっ」
伊「しろ」
富「しろうと」
伊「何で一緒に言わなくちゃいけねぇんだよっ!
・・・ちょっと言っちゃったじゃねぇか」
富「なにかご入用のものはございますか?」
伊「メニューみたいなのないの?」
富「いやですよお客様、メニューなら入ってこられたドアの内側に・・・」
伊「なんでそんなトコに貼ってんだ。後ろみないと注文できねぇだろ・・・
しかも・・あーあー、自動ドアの内側に貼るから端っこめくれてんじゃねぇか」
富「そういうもんですかねぇ」
伊「そういうもんだよっ! まったく・・・このさ、道具についてる
『作業精度』とか『加工精度』とかっていうのは、なに?」
富「『作業精度』は生産の成功率に関係します」
伊「そうか、難しいレシピとかありそうだもんなー」
富「まぁでも、作業の手順をしっかり守れば問題ありませんよ」
伊「手順?」
富「さ:砂糖、し:塩、す:酢・・・」
伊「それは『サ行』だろ! しかも調理じゃねーかっ!」
富「『加工精度』は、完成品のォォォ、品質が、超アガルゥゥゥーっ!!!」
伊「お前のテンションが上がってる、上がってる」
富「品質が上がると完成品の性能が上がりますので重要です」
伊「あ、昔+1とか+2とかって言ってたヤツだろ?」
富「上から『松』『た・・』」
伊「え、今は松竹梅なの? えらい和風だな」
富「『松』『たか』『子』」
伊「幸四郎の娘きちゃったーーーっ!」
富「それでいかがいたしましょう」
伊「いいや、もう。この『ウェザードニードル』1本ちょうだい」
富「えっ、い、いやさすがにコチラも商売ですので差し上げるわけには・・・」
伊「誰がタダでよこせって言ったよ! 『ちょうだい』っていうのは『売ってくれ』って意味だろうが!」
富「『ウェザードニードル』ですね・・・ホットですかアイスですか?」
伊「針にホットとかアイスってなんだよっ! 普通だ普通っ!」
富「ご一緒にポテトは・・・」
伊「いるかっ! 欲しけりゃ食料品店で買うわっ!! 早くお会計しろよ!!!」
富「オネエ系?」
伊「お会計だよ『お・会・計』!!」
富「お会計は・・・40ギルです」
伊「案外安いね・・・はい40ギル丁度」
富「あ、すみませんお客様、あと10ギル足りません」
伊「じゃあ50ギルじゃねぇかよっ!! 最初から言えっ!!」
富「あとですねお客様、今キャンペーンやってまして。
商品をお買い上げのお客様にスクラッチカードを差し上げています」
伊「ほー、何が当たるの?」
富「すみません、ちょっと何言ってるかわかんないです」
伊「な・ん・で・だ・よっ! スクラッチカードって言うからにはなんか当たるんだろぉ?」
富「はい、見事に『当たり』が出ましたらっ!!」
伊「出たら?」
富「レベル60素人が冒険のお供をいたしますー!」
伊「オマエかよっ!! 超いらねぇぇぇぇっ!!!!」