Personnage

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魂を宿す器 ―― ソウルサイフォン

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おはようございます。
少しずつ、日常が動き出す頃でしょうか。
今日も、物語の続きをそっと残しておきます。

Biska です。

第一世界へ向かう前、クルルに託された言葉は重かった。
原初世界で起きている出来事。
ゼノスが身体を取り戻したこと、皇帝が殺されたこと、
そして、ガイウスが示した新たな脅威の影。

それらを伝える役目よりも――
私たちの身体が、今も必死に維持されているという事実のほうが、
胸の奥に静かに残っていた。

クリスタルタワーで、水晶公は穏やかに語った。
魂を帰還させるための研究は、確かに前へ進んでいると。

白聖石を基にした、新たな魔具。
魂と記憶を留めるための器――
「ソウル・サイフォン」。

白聖石。
その名を聞いた瞬間、胸の奥がかすかに疼いた。
かつて、ひとつの命と引き換えに遺された結晶。
そしてその後も、ウリエンジェが幾度となく改良を重ねてきた品。

失われたものを、無駄にしないために。
同じ後悔を、二度と繰り返さぬために。
その積み重ねが、今、私たちの希望のかたちになろうとしている。

器は、すでに完成している。
けれど、そこに“記憶”を宿す方法は、まだ見つかっていない。
水晶公の血を触媒とする秘術。
それを持たぬ魔具に、どう移し替えるのか。

答えは、古代アラグの記録の奥深くに眠っているらしい。
未知を前にしても、誰ひとりとして視線を伏せなかった。
並ぶ背中から伝わってくるのは、焦りよりも、静かな覚悟だった。

「必ず、やりとげる」

その言葉に、私は小さく息を整える。
信じるしかない。
それでも、信じたいと思えた。

ソウル・サイフォンは、帰還の鍵だ。
けれど同時に、
私たちが今、どれほど危うい場所に立っているのかを教える存在でもある。

帰るべき世界は、待ってくれない。
それでも、この器が真に完成するその時まで、
私はここで、静かに見守るしかなかった。

――この静けさが、長く続かないことを、感じながら。
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