「上杉さん、お疲れ様ですー」
「お疲れ様です」
「明日、入庫多いみたいやから頼みますねー」
「マジっスかー」
「マジっスw」
ロッカーで着替えながら上杉と現場の主任さんとの会話が聞こえてきた。
(あー明日、忙しいのかー)
上杉の親父さんが社長の物流倉庫で働く俺と上杉。
中学を卒業後、直ぐにお世話になっている。
上杉は俺が就職する事を聞くと同じように親父さんの元で働く事を決めた様だ。
理由は簡単というかしょーもないアイツの意地?
いずれは親父さんの跡を継ぐ事になるだろうと考えていた上杉。
高校、大学と進学したとして就職すると俺より6~7年は後輩になる訳だ。
それが気に入らなかったらしいのだ。
親父さんにはかなり反対され、大学まで進学したのちどこかよその物流倉庫で修行したのちに・・
との予定だったらしい。
「広孝ー明日、忙しくなるからしっかり働けよー」
「ヘイヘイ」
黒のフルフェイスを被り、家へと向かう前にいつもの松屋へ原付を走らせる上杉。
オフクロさんも経理で働いている事もあり外食して帰る。
晩メシの準備やなんやの負担をかけない様にしているアイツなりの気遣いなんだろう。
「今日は何にしよーかねー?」
松屋の券売機の前で独り言を言いながら「牛カルビ定食」のボタンを押す。
スマホを片手に定食を待つ間にFFに関する情報収集。
(俺、文孝、広孝の進行具合はほぼ一緒。まぁハルさんとも歩幅を合わせた方が話もしやすいし
ウッカリネタバレなんて事故も防げるしな。ハルさんの手伝いをガンガンしていく感じがええやろな。
文孝は大丈夫として広孝にはネタバレせん様に釘を刺しとかなアカンな。アイツは何も考えんとポロっと言いよるよるからな)
松屋を出てまだ誰も帰ってきていない家の扉を開ける。
広いリビングのソファーに深く腰かけ大きくため息をついた。
「しかし無駄に広いよなーこの家。ほとんど誰もおらんのに・・・
風呂でも入ってFFしますかねー」
パタパタとスリッパの音が風呂場までの通路に響いていた。
「やっぱりタタルさんが可愛いでするよー♪」
「僕はヤ・シュトラさんがいいなぁ」
「お疲れー」
上杉がVCに参加してきた。
「珍しくハルさんがVC建てたんか?」
「そうでするよー♪今日はエオルゼアにワタシが一番乗りだったので皆さんをお待ちしていたでする♪」
「しかもタイトルまでつけてw」
「今、その話しててん」
<お気に入りの暁メンバーは誰だ選手権>
VCの部屋につけられたタイトルである。
「ほんで、みんなは誰がお気に入りやねん?暁のメンバー限定なんやんな?」
「そうでする♪全部のキャラだと決めづらいでするよー」
「なるほどね」
「僕はヤ・シュトラさんでハルさんはタタルさん。上杉は?」
「ウリエンジェ」
「えー!あの人、難しい言葉多くて意味がよく分からない時がありまするよー」
「上杉らしいな。なんか分かるわ」
「僕もなんとなく分かるわ上杉の好み」
「そんな事言うたら俺かて広孝のお気に入り分かるわ、当てたろか?」
「当ててみろやっ!」
「ヒロ君の好みでするかー?誰でするかね?」
「僕も分かるわー」
「ミンフィリアやろ!」
「僕もそう思うー」
「・・・・・・・」
「図星やろ?」
「・・・・・・・」
「だって兄ちゃんこの前、本田翼の次にええわぁって言うてたでw」
「ヒロ君の好みは本田翼と・・メモメモでする♪」
「なんやねん!ええやろ!ミンフィリアでも!」
「別に悪いとは言うてないー」
「ワタシはタタルさんの歌が好きでするよー♪フンフン バキドカってやつ♪」
「あー一番始めねーあったねー」
「俺はあのウリエンジェの謎な感じがええわ。なんか敵か味方か分からん感じが」
「僕はなんとなくかなー そうそう、ヤ・シュトラで一回切るのかヤシュトラって続けるのか悩めへん?」
「ムービーではヤシュトラって続けて言うてるからヤシュトラでええんちゃうの?」
「FFのキャラの名前ムズない?」
「ソレ、広孝だけやろー」
「そうか?絶対ムズいって!」
「みんな推しはバラバラでするねー♪」
「ストーリー進むとたまに新しいNPC出てたり話を聞くと前と違う事言うたりするよねー」
「え?文孝、NPCに話かけたりすんの?」
「うんするよー」
「そんな事する奴も珍しいなw兄弟揃ってオモロイのー」
「うるさいわっ」
いつもの待ち合わせ場所、ウルダハの旅のモーグリ前で何のコンテンツをする訳でもなく
FF談義に華をさかせていた。
きっと俺達の他の光の戦士逹もFCメンバーやフレンドさん、CWLSなんかでこうして話してるに違いない!
登録アカウントが1500万?1800万?位あるって上杉が言うてた様な・・・
どっかの「市」位の規模、市民全員が光の戦士って考えると凄くない?
散髪屋のヒゲのおっちゃんもお向かいのばぁちゃんも愛想ないスーパーのおばちゃんも・・・
そんだけ人がおったらパパリモのファンもどこかにおる事を願うわ。
散髪屋のおっちゃんは間違いなくミンフィリア推しやな。うん、間違いない。