Personnage

Personnage

  • 4

【 Slow Life 】 ⑧ FF14オリジナル小説

Public
前話 [ 第7話 月と、太陽 ]

次話 [ 第9話 雪深き旅路と、信念の白魔導士 ]


※今回、文字数がギリギリのためセリフの色分けが全部にできませんでした、ご容赦くださいm(__)m





[ 第8話 変わってく事と、変わらずにいる事 ]








 地平線、いや、水平線と言うべきか。砂海の彼方より太陽が顔を覗かせると、オアシスはにわかに気温を上げていく。
朝の訪れにも未だ、寝息を立てているリョウとあんず。
彼女たちを横目に、詰所の簡易的なキッチンに立って朝食を作っているのは、リリルとパメラだ。





リリル「まだお若いのに、イイ手つきをしていらっしゃる。なかなかやりますね、パメラさん。私も戦闘と仕事に明け暮れていて、これではダメだと危機感を抱いて最近、やっとお料理をするようになたんですよ。合間を見て少しずつですけどね。」



パメラ「ダメですよ~?女子たるもの、お料理のスキルアップは必須項目ですから!フフッ。
あっ、いてて.....包丁が爪に....;;」



リリル「女子.....女子力......はぁ.......。」






リョウ「おはよう.....ごじゃいます.....何やらいい匂いがします.....。zzz」



あんず「ふぁ~っ!寝すぎちゃった~。すみませんリリルさん、朝食作ってもらっちゃ.....って、うおっ!」



リリル「ザナラーンモーニングセットですよ、ウルダハから食材も持ってきてますので。」



パメラ「召し上がれ♪」





 テーブルに並んでいるのは、ジュージューと音をたて、焼き上がったばかりの山羊のステーキとポテトの付け合わせである。
帝国から侵略を受け、難民となってウルダハに流れてきたアラミゴ人の多くはヒューラン族のハイランダーである。
肉を豪快に焼く料理は、ハイランダーの伝統であり、難民流入により、住民の多数を占めるまでに至った彼らの食文化が、ここザナラーンに根付いたのであろう。

しかし、モーニングセットと銘打ち、朝から"焼肉"である。彼らの大柄な背格好の秘訣がここにありそうだ。





ワララゴ「朝食に、分厚い肉とは、斬新ぢやのう....。若者についてゆくには、いたしかたなしか....ふむ。」



あんず「お、重そうね....。これはこれでアリなのかしら....。」



リョウ「おいしそう!いっただっきみゃぁ~!!」



あんず「アンタは問題なさそうね....。」





 やや、げんなりとした表情を伺わせるあんずとワララゴ。リョウは幸せそうな顔で、パクパクとたいらげていく。





リリル「私も最初は困惑しましたけどね。まぁ、何と言いますか.....。慣れですよ、慣れ、ねぇ?グレイ。」



グレイ「朝食大事。」



パメラ「あははは!まぁ、私たちも朝からモンスターの肉ですけどね....。」



リリル「そうそう、パメラさん。昨晩、族長とは話をつけておきました。族長もあなたが悩んでいる事をよく知っておいででしたよ?
我々はこの後、砂海魚を釣りに出かけますので、その間に直接、挨拶しておいた方がいいですね。」



パメラ「ほ、ほんとですか!?何か、スミマセン、そこまでして下さって.....。
あ、ありがとうございます!これから、よろしくお願いします!」





 ようやく、と言っていいだろう。ここへ来た本来の目的である"砂海釣り"をするため、朝食を食べ終えた一行は釣り支度を整え、砂漠を南へと向かう。
釣り場の近辺にも、サンドウォームなどの魔物が生息しているのだが、通常、彼らはこちらから何かしない限り襲ってはこない。
だが昨日の今日であるため、油断はできない。いつでも戦闘態勢に入れる準備だけはしておく。





リョウ「先輩.....暑いです.....。」



あんず「さ、砂漠だからね.....。」



ワララゴ「ふぉっふぉっ、釣り竿を手に集中しておれば、暑さなど忘れると言うもの。ただ、帽子だけは被っておくのぢや、日射病になるゆえな。」



リリル「不肖!この私めも、釣りの経験はありませんが、竿を振らせていただきます!えいっ!」ヒュンッ



あんず「えっと、何だっけ、サンドストームライダーを釣って、それをエサに泳がせるのよね?」



ワララゴ「そうぢや。胸ビレが翼のように大きいやつぢや。やつらはその胸ビレで、鳥のように飛びよるでな。」





 砂漠に日が昇り数時間。高気圧に覆われた太陽が、得意気な顔で照りつけてくる。

海や川などの釣りにおいて、カンカン照りというのは、条件としてはよくない。
水温が上がり過ぎたり、仕掛けが目立ち過ぎたりと、魚の食いつきが悪くなる傾向がある。
だが、このサゴリー砂海には、真逆の条件が適用されるようである。
燃え盛るような灼熱波が、砂海魚の活性を高め、"ヌシ"と言われる大型魚もそれを追って動き出すのであろう。

しかし、そこで竿を出す人間にとっては、もはや単なる我慢大会でしかない。





リョウ「先輩.....釣れません.....。」ぁっ゛ぃぃ...



あんず「そ、そうね、サンドストームライダーはちょこちょこ釣れるんだけどね.....。」



リリル「私なんてそれすら釣れません.....。;;」



あんず「親分、本当にここであってるのかしら?何か怪しくなってきたわ。」



ワララゴ「まったくもって、こらえ性の無いおなご達ぢや。釣れない"わびしさ"を噛みしめ、一句読めるくらいにならんと一流の釣り師とは呼べんぞ?
見るがよい、彼を。一切集中を切らさず、もはや自然と一体になっておる。手に持つ釣り竿を通して、魚と会話すらしておるのではないか?」



リリル「そう言えばさっきから、あんずさんと同じくらいサンドストームライダーを釣ってますね.....。どういうこと?グレイ。私を差し置いて、一人でこっそり釣りのレベルを上げていたの?」





 リリルに振り向き、ニヤリと片方の口角を上げるグレイ。そのあくどそうな表情に、リリルはおもむろに悔しがってみせる。
自分だけ釣れない事にイラ立ちを隠せない彼女もまた、相当な負けず嫌いのようである。

 しかしながら、この砂海のヌシはなかなかに手ごわい。すでに数時間が経過しているが、未だに件の"魔法の絨毯"は姿を見せない。





リョウ「先輩....."フリーズ"の魔法をください.......。」ぁっ゛ぃぃ...



あんず「いいけど、氷漬けになって、しばらく動けないわよ?」



リョウ「ぜ、是非、お願いします.......。」ぁっ゛ぃぃ...



ワララゴ「まぁ、こんな日もあるぢやろうて。あんずくんの竿に一度、それらしきあたりがあったのぢやし、おる事はおるぢやろう。今日のところは撤収ぢやな。」





 結局、日暮れ前まで粘ってみたものの釣果はあがらず、村に引き返す一行。
族長に村を出る許しを得、上機嫌に旅支度を済ませたパメラとも合流し、今回はウルダハに戻る事にしたようである。


 村を走り抜けるチョコボキャリッジから身を乗り出し、だんだん小さくなっていく生まれ故郷を見つめる彼女は、さみしさと、夢にまで見た外の世界への期待と不安が入り混じった若き心を胸に、商国の旅人となる。






  ~ ウルダハ エメラルドアベニュー ~  


リリル「砂海のヌシともなれば、一筋縄ではいかないものですね。ですが今回みなさんのご協力もあって、ウ族の人たちと手を取り合う事ができました。正直、ホーリーカーペットよりも大きな収穫だったと思っています!
彼らの協力があれば、スナナマズの方の皮の利用も模索していけるはずです。皮を剥いだ状態でも、狩りのエサとして使えるか、またはそれに代わるものが無いか、検証していけますからね。」



ワララゴ「そうぢやの、ホーリーカーペットはまたおいおい狙ってみると良いぢやろう。我らがいなくとも、そこの御仁が見事に仕留めてくれるぢやろうて。」



グレイ「警備長、兼、釣り部門統括.....。」ニヤリ



パメラ「ぷぷっ!」



リリル「くっ....!釈然としませんが、ま、まぁ暫定的にそういうことにしておきましょう.....。」



あんず「あたしも結局、釣れず仕舞だったので、必ずリベンジしますよ。それにグレイさんならきっと釣りあげてくれます。
泳がせ釣りする時に、エサのサンドストームライダーを掴む時のあの無駄のない手さばき.....エサを弱らせないソフトタッチ.....。」



リョウ「あんなおっきな斧をブンブン振り回すごっつい手からは想像がつきませんね。ソフトフェザーグレイ.....ぷぷっ!」



 白い歯を見せ、その強面で満面の笑みを浮かべながら、ビシッっと親指を立てる不屈の戦士。


談笑の時は過ぎ、ひとまずの別れの時間が来たようである。





リリル「実は今回の件で、ウ族の族長が信頼を寄せるきっかけとなったのは、リョウさんなんです。
リョウさんの、まさに捨て身の行動が、事実としてパメラさんを救った事にひどく感銘を受けてました。
我れが魔物の群れを退けた事よりも、そこに重きを置かれたようです。ただ強いだけではない、心ある一団であった、と。」



リョウ「そんな.....私はとっさに助けなきゃって思っただけで....もっと、私に力があればみんなを、先輩を心配させることもなかったんです。」



ワララゴ「いや、リョーコくんがまだ、力の無い幻術師であったればこそ、その献身性が光ったのぢやろう。
だが、リョーコくんを危険にさらした事はワシらの油断ぢや、そこは反省せねばなるまい。」



あんず「うん、もうこんな目にはあわせない.....。」



パメラ「フフッ、何かいいなぁ.....同じ種族でもないのに、みんながみんなを想いあってて。家族みたいだね♪
私も、そんな風になれたらなぁ.....。」





 その言葉を聞いたリョウはパメラのそばに歩み寄り、有無を言わさずギュッっと抱きしめる。





パメラ「リ、リョウちゃん!?」



リョウ「何言ってるんですか!パメラさんはもう、私たちの家族ですよ!何も心配なんてしなくていいんです!」





 全員が大きくうなづく。リリルは両手を広げ歓迎し、グレイはまた、強面に白い歯を光らせ親指を立てる。





リョウ「パメラさんは世界中を旅する商人になるんです。だから必ずまた、私たちに会いにきてください!」



パメラ「うん!わかったよ!絶対会いに行く!リョウちゃんたちのいるリムサロミンサへ!」



あんず「また、かわいい娘が来るからって、余計な事しちゃダメよ?親分。」



ワララゴ「人聞きの悪い事を言いよって.....。ワシとてその場の空気くらい読めるわい。」





 パメラとリョウは何度も抱き合い、手を取り合いして、別れを惜しんでいる。
どうやらここ、ウルダハのナル回廊に、商会の拠点があるらしく、リリル達3人はそちらに向かうようだ。


 別れ際、リリルがあんずに近づき、小さな声で話しかける。





リリル「今度は是非、お仕事ではなく、一介の冒険者としてパーティーを組みましょう。あなたたちと一緒に冒険がしたいです!行ってみたい所もありますので....。」



あんず「え、ええ!わかったわ!でもあたしはバトルは苦手だから、お手柔らかにお願いしますね....!」





 遠からず、再開の約束をし、リリル達は商会へと帰っていく。
パメラは何度も振り返り、大きく手を振っている。





ワララゴ「それではワシも一足先に帰るとするかの。」



あんず「あら、気が利くじゃない。てっきり一緒にいるんだと思ったわ。」



ワララゴ「こう見えてもワシは忙しいんぢや。寂しいぢやろうが今日は2人で泊って、明日リムサに帰ってくるがいいぞい?」



あんず「あーはいはい、寂しい寂しい。気をつけてー。(棒)」



リョウ「先輩ww」



ワララゴ「ふっふっふっ。素直になれない"あまのじゃく"さんめ。拙い照れ隠しも可愛らしいものよのう。」



あんず・リョウ「うわぁ.....ポジティブ.....。」





 どこまでも前向きでくじけないワララゴは一人、背中に哀愁を漂わせ、ウルダハランディングへ歩いていく。


リョウとあんずは、酒場クイックサンドに併設されている宿屋、「砂時計亭」に向かう。
チェックインを済ませ、荷物をおろす。





あんず「せっかくだからさ、まだ時間もあるし、お店とか見に行ってみない?」



リョウ「行きます!今回ウルダハに来た最重要任務です!」



あんず「オッケー!じゃあまずはサファイアアベニューから見て周りましょ!」



リョウ「イエッサ~♪」





 通りに出て間もなく、露店が立ち並ぶ賑わいが見えてくる。ウルダハはエオルゼアで唯一の王国であるが故、王室御用達の高級な宝石や織物などを扱う店もあるのだが、ルビーロードやサファイアアベニューなどのマーケットは、もっぱら庶民的な物を多く扱う商店街といった様相だ。
露店の雑多な感じなど、趣があり、ここに居るだけで気持ちが高揚してくる。アクセサリや小物類など、どれもこれも欲しくなりついつい手に取って見てしまう。





あんず「ねぇねぇ、これ見て?カエルの置物~、かわいい~♪」



リョウ「何やら気になるものがいっぱいです。目移りしてしまいますん.....。あっ!先輩、こんなのどうです?かわいくないですか?」



あんず「あ~、いいこれ!髪留めね、お月様があしらってあるわ!なかなか乙女チックなものを選ぶわね.....。」



リョウ「その手に持ってる、カエルとヘビの置物は買うんですか.....?」



あんず「ダメかしら?持って帰って遊べるわよ?ヘビに睨まれたカエルってね。あははは!!
やだ、このトカゲの人形かわいい....。」



リョウ「爬虫類とか両生類とか、そういうのが好きなんですね.....。先輩って....ちょっとアレですよね.....。」





 露店で買ったミントラッシーを片手に、軒並み、見て周る2人。サファイアアベニューから戻ってくる形でルビーロードへとやってくる。

通りの中心で人が集まっているようだ。催し物でもしているのであろうか。





リョウ「先輩、見てください!ダンスショーやってますよ!」



あんず「ホントだ~、素敵~!」



リョウ「ミコッテの女の子が3人。衣装と振り付けでこうまで可愛くなるんですね.....ふむ。」



あんず「そういえば、コスタ・デル・ソルでも、ミコッテの女の子が踊らされてた気がするわね.....。ミコッテ族ってアレなの.....?踊らされる宿命なの?」



リョウ「んなわけないです。誤解と偏見です。」



あんず「そうかしら、まぁいいけど!とりあえず、せっかくなんだし、アンタも踊っときなさい?」



リョウ「何でですかー! 却下です!!」





 頭に耳を付け、シッポを生やした女の子ともなれば、ウケが悪いわけは無いだろう。男女問わず、である。
本来、このエオルゼアの世界においてマイノリティーであるはずのミコッテ族が、こと冒険者に限って見ると圧倒的な数を占めるのである。いやはや。





あんず「あ、ちょっとさ、一軒だけ行きたいとこがあるの。」



リョウ「はいはい、いきましょ~。」





 ルビーロードからエメラルドアベニューへ出てすぐのところに、しっかりとした構えのキレイなお店がある。
高級織物を扱う店、サンシルクだ。





リョウ「これは.....何て可愛らしいドレス....。パンプスもとってもかわいいです。
てっきり爬虫類ショップにでも連れて行かれるのかと思いましたよ。」



あんず「そんなお店あったら是非行きたいわ....。
あたしね、まだ駆け出しの頃、このお店のドレスをよく眺めてたの。こんなかわいいドレスを着れたらなって思ってね。憧れだったのよ。
でもほら、駆け出しだからさ、お金なんて全然無いしさ.....だからずっと眺めてるだけだったの。なつかしい思い出よ。」



リョウ「た、高い!これは到底、手が出ませんね....。でも今なら先輩も買えるのでは?」



あんず「うん、このドレス欲しさにダンジョン行ったり、いろいろ頑張ったわ。でも、こんなドレスなんて、そうそう着る機会ないからね、今ではタンスの肥やしよ!」



リョウ「そうでしたか。先輩もかわいらしいところ、あるじゃないですか♪」



あんず「う、うるさいわね!放っときなさい!」





 すっかり夜も更け、ウルダハを堪能した2人。
疲れを見せず、談笑しながら宿へと戻っていく。





あんず「うひひ.....かわいい....」



リョウ「何にやけてるんですか?
うっ....さっきの置物.....。ん~、まぁかわいいと言われればそう見えなくもないような.....ん~..。」


              



あんず「さっ!今日は早く休みましょ、ずっと暑いとこにいたからね。」



リョウ「はい.....。一つ...聞いてもいいですか?先輩。」



あんず「なぁに?」



リョウ「ずっと考えてる事があるんです。ウ族の人たちの事なんですが.....。
パメラさんが言ってました。村では狩りができないと認めてもらえないとか、結婚相手が最初から決まってるとか.....。しきたりや伝統って、そうまでして守っていかないといけないものなんですか?」



あんず「そうね、単純に考えればバカらしい話よ。砂漠で狩りができなくなれば、村が滅びる事もやむを得ない、とも言ってたしね。他所に移ればいいじゃん!って思うよね、普通。
でも、そこまで意地になってでも簡単に変えちゃいけない事があると思うの。"ウ族の誇り"って言葉も言ってたわ。彼らにとっては昔からのしきたりを守って自らを"砂漠の子"と呼んで狩りをして暮らしていく。
それが彼らのルーツであり、アイデンティティなのよ。大切な事だと思う。自分たちの原点を失うのって、帰る家が無いのと同じだからね。」



リョウ「たしかに、そうかもしれません。でもそれで本当にみんな幸せなんでしょうか?納得いくんでしょうか。」



あんず「うん、あたしもそこが重要だと思う。家があってもご飯が食べれないと、何もならないしね。
大事なことは"決まり"だからって思考停止しない事。
時代も環境もどんどん変わっていくからさ、その中で何を変えないといけないのか、何を変えちゃダメなのかを、ちゃんと自分の頭で考えなきゃいけないの。
集団心理っていうのかな。閉鎖空間に長い間いるとね、そこから抜け出したり、自分の考えを持つ事が、悪い事なんだって思っちゃうの。だから正しい判断ができなくなっちゃう、コワイわよ~?」



リョウ「仲間外れにされちゃいますよね、ずっと仲良かった人たちに嫌われるのはイヤですもんね。」



あんず「うん、そうならないためにもね、世の中のいろんな事をちゃんと自分の目で見て考えないとダメなの。人から聞いた話だけで決めつけるのもダメ。
自分の意思で、聞いて、感じて、考えないとね。
今回、族長さんはいい判断をしたと思うわ。葛藤はしただろうけど、リリルさんたちと手を結んだ事、パメラちゃんを外に行かせた事。
何か昔ね、リムサの海雄旅団にいたらしいのよ、あの人。外の世界でたくさんの経験をしてきたと思うの。族長さんなりに、ウ族を変えようとしているんだわ。
あの村はきっと良くなっていくわよ。天命というなら、リリルさんたちと出会えた事が天命じゃないかしら。リリルさんもただの商人じゃない、世界中をその目で見てきた冒険者だもの。」



リョウ「そうですね、族長さんもいい人でした。ちょっと怖かったけど.....。みんなが幸せになれたらいいなぁ....。」



あんず「そうよ?だからアンタにも、世界中を見て欲しいの。どんな人がいてどんな考えがあるのかってね。
もちろん、あたしも一緒にね!」





 あんずの言葉に、リョウは笑顔になる。
人がいれば、その数だけ生き方や考え方あるだろう。
限られた生涯の中で、出会える人との絆はごくわずかかも知れないが、その一つ一つを自分の財産としていけたならば、それはきっと、素敵な人生だと言えるのではないだろうか。

 より自分を変えていくことで、多くの価値観に触れる。
そうした中で、変わらずにいようとする自分もまた、大切にしていきたいものである。





リョウ「世界中を周るのなら、世界中のおいしいものが食べれますね♪」



あんず「あんたそればっかりね~。まぁそれはそれでアリだけど.....。
あっ、そうだ!忘れるとこだったわ!
はいっ、これあげるわ。」



リョウ「これは!さっきお店で見てた髪留め!買ってくれてたんですか~!?先輩~♪」



あんず「安かったからよ.....。だ、大事にしなさい?」



リョウ「ありがとうございます~♪
えへへ、うれしい.....。」





 もらったばかりの髪留めを頭に付け、何度も鏡に写し出しては笑みをこぼす。
2人の出会いはもうすでに、お互いの人生にキラキラと輝く宝石となっているようだ。




 荒野を渡る夜の風が、ゆっくりと南へ流れ、灼熱に焼かれた砂漠の火照りを、静かに沈める。

髪留めにあしらった月は、ウルダハの夜に浮かぶ下弦のように、優しく光をたたえている。






             第8話 おわり
Commentaires (4)

Sally May

Typhon [Elemental]

ルーツやアイデンティティ、今回はいろいろと考えさせられるストーリで
自分のことも振り返って考えてみたりしました。
近未来と古きよき時代が残るエオルゼア・・またいろいろ旅をしたくなり
ました♪

Kylee Pudding

Typhon [Elemental]

ワキアイアイだぁ〜
あんずちゃんもリョウちゃんもエオライフ漫喫してますね〜!
ワタシがトライアルの時はどうだったかなぁ…
常にソロだったけど新鮮な事だらけで分からないなりに夢中になってましたね。。。
でもやっぱりワキアイアイに憧れて、今もそれが楽しみで…
って事で近々白虎戦にお誘い致しまする(๑>◡<๑)えへへ

Arlequin April

Typhon [Elemental]

さりちゃん
いつも読んでくれてありがとう(*´∀`)
アイデンティティやルーツ、大事だと思う。見失ってもダメだけど、固執してもダメだよね。
こう言ったお話を、要所要所に入れようと思ってるよ~^^あたしの主観だけどっ(>o<")
基本は、ゆるっと書くつもりです(@_@;)
お付き合いくださいませ。m(__)m

Arlequin April

Typhon [Elemental]

カイリさん
いつも読んでくれてありがとう!(>o<")
そうなんだよ~和気あいあいなんだよ~♪
ギャザクラを中心にフワッと書いていくって最初に言ったからね~、それが激しくバトルしたり、ちょっとシリアスな内容入れたり…(´Д`|||)
方向性が広がっちゃうけど、ご容赦ください…orz
駆け出しの頃とか、思い出してくれたりすると嬉しい!
サンシルクでドレスを眺めていたくだりは、実話です(ぁ
頑張って貯めたお金でやっと買えた時は嬉しかったなぁ~(*´∀`)
お互い、和気あいあいと楽しもうね♪
白虎♪へっぽこタンクを誘うなんて♪度胸あるね♪(ぁ
Écrire un commentaire

Mur de la communauté

Activité récente

Il est possible de filtrer les informations afin d'en réduire le nombre affiché.
* Les annonces concernant les classements ne peuvent pas être filtrées par Monde.
* Les annonces de création d'équipe JcJ ne peuvent pas être filtrées par langue.
* Les annonces de création de compagnies libres ne peuvent pas être filtrées par langue.

Filtrer
Monde d'origine / Centre de traitement de données
Langue
Articles