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FF14 勝手に外伝 亡国の冒険者達 第四部 10

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 会議の方は午前中で終わり、グ・エンベルトはランチを摂る為カーラインカフェまで向かおうと市内を歩いていた、するとエーテライト付近で数人の神勇隊隊士が何やら深刻な顔で話あっているのが見えた。
 「こんにちは、何か問題ですか?」
 「グ・エンベルト道士、これは良い所に」
と隊士の一人が敬礼をしてきた。
 「実は、最近余所者による盗賊団が横行していまして、先ほど東部深林でグリダニアでは見かけない種族の怪しい男が目撃されまして、我々も今から人を集めて向かう所なのです、ご協力をいただけますか?」
 「会議ばかりで体が鈍っていた所だから、丁度良いかな、任せて下さい」
エンベルトはそう言うと、すぐにエーテライトで東部深林に向かった。
そして、そこで『ロスガル』族の男と正体不明の男達が戦っているのを発見する。
 その男の武器は帝国の『ガンブレード』だったので、当初は帝国の属州兵かと思ったがどうやら、そうでは無さそうだ、そして正体不明の男達が、ロスガルの連れの非武装の、これもグリダニアでは珍しい『ヴィエラ』族の女性に矢を向けたのを見て、細剣を抜いて介入した。
 正体不明の男達を軽々と退けるとエンベルトは負傷しているロスガル族の男に治癒を施す。
「すまん助かった、私はラドヴァン、こっちはソフィーだ」
と男は名乗った。
 その頃には神勇隊の隊員も駆け付けて来ていて、倒れている盗賊らしい男達を確保した。
 「貴方は帝国の脱走兵ですか?」
ガンブレードを見たエンベルトはそう尋ねると、男は自身の事と『ガンブレーカー』と言う兵種と本家『ガンブレード』の事を解説してくれた。
 「なるほど、エオルゼアで護衛稼業をする為に帝国から脱走したと言う事ですね」
 通常グリダニア国内で発見された帝国からの脱走者は神勇隊預かりとなり、身元の確認や過去の軍務などの聞き取り調査が行われる事になっている。脱走者を装ったスパイの可能性もあるからだ。
 このラドヴァンとソフィーの二人は信用できる人物だと判断したエンベルトは、
 「わかりました、私はグ・エンベルト・ヌン グリアニアの白魔道士です」
とここでの公式の役職を名乗ってから、側にいる神勇隊員に
 「この二人の身柄は私が保証します、グリダニアの滞在許可をお願いします。」
と声をかけた。
隊員は敬礼して
 「了解しました」
と言い本部へ報告の為に戻っていった。
 幻術士は神勇隊の指揮権を持っているので、隊員は白魔道士のエンベルトの指示を拒む事は無い
むしろ、脱走者の扱いに関する面倒な手続きを自分がしなくて良いので、喜んでいる位だった。
 「世話になった、世話になるついでと言っては悪いが、貴殿エオルゼアの事を教示願えないだろうか?代わりと言ってはなんだが、貴殿にはガンブレイカーの秘技を教えよう」
 「ガレマール帝国軍の物とはルーツも構造も異なる武器、興味深いですね良いでしょう」
 自分の知らない武器や武術、兵種には興味が尽きないグ・エンベルトである、二つ返事でラドヴァンの
申し出を受けると、この後数日彼らと行動を共にする事になった。
 彼らはその言葉通り、様々な護衛任務をこなしていて、エンベルトもガンブレーカーの修行を兼ねて任務に参加した。
 そして次の仕事はウルダハだと言う彼らを自分の飛空挺に乗せて一緒にウルダハに戻ってきた。
 「エンベルト殿、貴殿は何者なんだ?」
と個人で飛空挺を所持しているエンベルトにラドヴァンとソフィーは驚いていた。
 帝国では情報統制がされていて、『エオルゼアの英雄』の事は、ただの蛮族の反乱者程度に報道されている様だった。

 二人をクイックサンドの「モモディ」に紹介した後、宿屋「砂時計亭」にチェックインしたのを見届けて、エンベルト・ブラザースのオフィスに戻った。

 「おう、戻ったか なんだ?会議で行ったのに帝国の将校とやり合ったのか?そのガンブレードは戦利品だろ」
とジェーニオが早速食いついて来た。
 エンベルトと同様にジェーニオも武器や武術への興味が旺盛なのだ。
 「いや、これは『ハイスチール・ガンブレード』って言ってな……」
とジェーニオに解説すると
 「面白い、その男俺にも紹介しろ」
とジェーニオは興味深々だった、そして早速ガンブレードを手に取ると……
 「成程、こういう仕組みか、リムサロミンサの銃と似ているが、ここが違うな、待てよこれ、こうしたらもっと威力が上がるんでは?」
と早速オモチャにしている。
 「おい、壊すなよ、あ、そうだ改良できるなら何挺か作って見てくれ」
と鍛治にかけては自分より優秀なジェーニオにガンブレードを預ける事にした。

 翌日、クロエ達の新作の踊りを披露するからと言う事で、ジェーニオに呼ばれた
エンベルトは妻達(幻術士ギルド、呪術士ギルドで修行中の四人は除く)とジェーニオ邸を訪れた。
 いつもの様にジェーニオの料理を堪能した後に大きな舞台(ステージ)の有る部屋のソファーで
新作の踊りを見学する。
 「なぁどんな踊りなんだ?」
 「いや、それが俺もまだ見せてもらって無くてな」
 エンベルトにとってクロエの踊りは少年時代の甘酸っぱい記憶を呼び起こすのか、いつも見惚れてしまい、ジュリア達から非難の視線を浴びるので注意が必要なのだ。
 
 近東風の音楽が流れ初めて、幕が上がるとこれも近東風の衣装を纏った、クロエ、イリス、ミラが優雅に踊り始める。三人共純白の衣装だ、ウルダハの踊り子達ほど肌の露出は多く無いが、体を反らしたり脚を高く上げたりする妖艶な踊りにエンベルトだけでは無くジュリア達も目を惹きつけられる。

 所々で 両手に持った黄金造りの輪の様な物を投げ上げたりする様子が美しい。
 そして、曲が変わると今度は、観客席の上方に向かって、三人が手に持った輪を投げ始める
輪は弧を描きエンベルト達の上方でクロスすると、また三人の手元に戻る。
 「う、これは?」
エンベルトは驚いた、さっきまで楽しそうに見ていたジェーニオの顔付きも変わっている。
 更に曲が激しくなると、三人が投げる輪のスピードが上がり、最後に三人が片足を膝で高く上げた
ポーズを取って背中から取り出した『扇』でまるで切りつける様な演舞で踊りは終わった。

 「おい、これ踊りじゃないぞ」
とエンベルトがジェーニオに言うとジェーニオも
 「ああ、あの金属の輪、もし刃が付いていたら当たったら首が落ちる」
 と平手で自分の首を軽く叩いた、その二人の様子を見たクロエ達は満足そうだ。
 「兄様の言った様に、ただの踊りでは無いんです、これは近東サベネアに伝わる『クリークタンツ』と呼ばれる武の舞踏、これはチャクラム等と呼ばれる投擲武器です、今は練習用なので刃は付いていないですが、本物はこれです」
 と、目の前に武器を差し出した。
 「なるほどね、男が脚に魅了されている隙に、これで首を切り落とすのね」
と物騒な事を言うビアンカだ
 「いや、それもそうだけどあの弧を描く軌道は避けるのが大変だぞ、恐ろしい武術だ」
とジェーニオ。
 「姉さん達、私にもその踊り教えて」
と言うのはモニカだ。
 「うん、そうだね、これはウチの奥方達全員に覚えてもらった方が良いかもね」
とエンベルトが言うとクロエは満足そうだ。
 「ねぇ、クロエ姉さん、真ん中辺の演舞の時エーテルの空気が変わった見たいだけど、治癒効果とかもあるの?」
 先ほどまで無言だったジュリアが会話に参加した
 「え、そうなのか?」
とジェーニオとエンベルトが声を揃えた。
 「二人共、私達の踊りに見惚れていたからお気づきにならなかったのですね、治癒と防御、鼓舞の効果もあるんですよ」
とクロエは笑っている。
 「参りました」
と素直に降参する、ジェーニオ達だった。

 その後は奥方達はリビングルームで女子会、エンベルトはジェーニオの書斎で二人で酒を飲む
 「いや、しかし本当に驚いたな、あの踊り、クロエなんかもう殆どラクシュミ級だぞ」
 「なんだそれ、ラクシュミってお前がギラバニアで戦った蛮神だろ?、だがウチの奥様達の最強の武器になるんじゃ無いかな。あ、相手が男限定だがな」
 「だが、あれじゃ兵達が気が散って戦闘どころでは無くなるな、特に若い独身組には刺激が強すぎる」
と先ほどの踊りの感想を述べ合った。
 「ああ、そうだ、昨日のガンブレード試作品ができたぞ、ドマの玉鋼を使って全体の強度を上げてみた、後の仕上げを頼む」
 「おう、流石だ、良い出来じゃないか、これこのまま貰って良いか?、明日例のラドヴァン殿と会う予定なんだお前も来るだろ」
 「ああ、それは楽しみだな、あ、そうだ悪いけどさっきのチャクラムとか言う武器の事調べてくれないか? もう少し大きく重くすれば俺でも使えるかもしれないから」
 「え、お前踊るの? それは見たくないなぁ」
 「馬鹿野郎」
 とこんな会話をしてエンベルト達はジェーニオ邸を後にした。
そして、帰宅後にエンベルトはやっぱりジュリア達から追求されて
 「私達もすぐにあの踊りを覚えますから、姉様達より素敵な衣装を作ってくださいね」
と新しい衣装を作る約束をさせられた。



 エピローグ

 それから数週間は平穏無事に過ごす事ができたが、グリダニアから訃報が届く
義父「ワ・セラ・ヌン」が病死したとの知らせだった。
 急遽グリダニアに駆けつけたエンベルト達は義兄「ワ・オル・ティア」に迎えられ
眠る様に横たわっているワ・セラと対面した。
 義兄によれば義父は数年前から、いまだに治癒方法が見つかっていない内臓の病に冒されていて、自分の体を実験台に各種の秘薬や治癒魔法を試していたとの言う事だった。
 だが、結局治癒は叶わず最後は眠る様に逝ったと言う事だ。
 「これ、父の遺言だ」
オルからグ・エンベルトに渡された遺言書には
 「蔵書を全て譲る、娘達とグリダニアを頼む」
とだけ記されていた。
 それをジュリア達に見せたエンベルトは
「義父上らしいな」
と涙ぐむ。

 同じ様に遺言書を受け取ったジェーニオの方には、今後のグリダニアとアラミゴの関係について予測可能なトラブルとそれに関する対処法が細かに記されていて、
 「二つの国の架け橋となってくれ、そして娘達を頼む」
と書かれていたそうだ。
 
「オル殿、御父上の葬儀はどの様に?」
「カヌ・エ・センナ様からは、『ミィ・ケット野外音楽堂』で国葬にと仰っていただいたのだが、
父の遺書では『質素に家族葬で頼む、エラントソードの墓に埋葬してくれ』との事なので、それを尊重したいと思ってる」
 との事だった、ジェーニオもエンベルトも妻達もその事についての異論は無かった。

 だが数日後、ワ・セラ邸で故人が生前親しかった者のみを招いて行われる筈だった葬儀たが、カヌ・エ・センナを筆頭にグリダニアの角尊六人全員が弔問に訪れ、その他に双蛇党の将校達を始めとして次々と弔問に訪れて1000人以上がセラ邸の前に列を作る状態になってしまった。
 この状況に喪主であるオルは完全に無力化されてしまった。
 「おい、これは大変な事になったな」
 「ああ、もう俺達ではどうしようも無い」
葬儀を手伝っているグ・エンベルトもジェーニオもこの状況では全く無力だった
 だがそこに強力な応援が来た
 「旦那様、クロエ奥様からお声をかけていただきまして、勝手にお邪魔して申し訳ありません
私、ゼーメル伯爵家の葬儀を手伝った経験がありますので、お任せいただけますか?」
とジェーニオ邸の執事アルチュールが来てくれたのだ。
 イシュガルドの大貴族ゼーメル家の元侍従は伊達では無く、葬儀会場の混乱は瞬時に収まり
その後は粛々と行われ、夜には弔問客も全て片付いた。
 「一時はどうなるかと思ったが、流石貴族の元侍従だな、これから葬儀は全部彼に任せよう」
 「いや、お前ね……もう良い」
 やっと軽い食事と酒にありつけたエンベルト達であった。

 翌日はワ・セラの棺をどの様にギラバニア湖畔地帯の『エラントソードの墓』まで運ぶかでまた一騒動あったのだが、陸路では中央深林、東部深林からパエサルノの長城を超えてギラバニアへ入り更にギラバニアを西から東に横断すると言う長距離の移動になる事からアルチュールの提案で
 グ・エンベルトの飛空挺『Piume rosse号』に棺とセラの家族、ジェーニオの『Burrasca号』にセラの友人達と残りの参列者を乗せて二隻で空路を運ぶ事になった、こちらにはセラの盟友だったエ・スミ・ヤンも同乗する事になる。
 「ジェーニオ大闘士」
 「はい、ブルックストーン大牙将、何か?」
 「いやな、君達、そのグ・エンベルト大闘士もだが、どれほどの資産家なのかね、下賤な話かもしれんが双蛇党、いやグリダニアでは士官が個人で飛空挺を所持するなど想像もつかんのでな」
 「そうですね、正直に言いますと、私ももう良くわからんのです、まぁロロリト殿やゴッドベルト・マンダヴィル殿には遠く及ばないとは思いますが」
そうジェーニオは笑って答えた。
 ブルックストーン大牙将は実はまだグ・エンベルト達の双蛇党移籍を諦めていなかったのだが、
この飛空挺を見てその気持ちを捨てたのだった。
 何故なら双蛇党所有の飛空挺は、この船より二回りほど小型でそれが数隻あるだけだった、しかも
その数隻の飛空挺を維持する予算の捻出にも苦労している現実があったからだ。

 ギラバニア領空を飛行するので、グ・エンベルトは直前にアラミゴ解放軍と共和国政府に飛行許可を得ておいた、二隻の飛空挺は静かにエオルゼアの空を東に進んで行く。
 二隻は『ロッホ・セル湖』に着水して、ここで棺と乗客を下ろして待機する
ここからは、アラミゴ解放軍が好意で用意してくれたチョコボキャリッジでエラントソードの墓まで移動
 墓の前では葬儀用の正装をしたラウバーン、リセ、メ・ナーゴ、メ・ラツ・ヌン等解放軍と共和国政府の要人が待機してくれていた。

 「終わったな」
 「ああ、義父上もやっと故郷で眠れると言っておられる様な気がしたよ」
 「今頃、エーテル界でお前のオヤジ殿となんか会話をしているのかな?」
 「さぁ、どうかな……」

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後書に変えて

 これで、一応完結です、紅蓮のパッチ4.1辺りまでのお話でした。
この後も冒険は続くのですが、またいつか書きたくなったら続きを書きます。

あと、別に外伝の外伝を一本書いてますので、それを近々上げる予定です。
長々と読んでいただいた方々ありがとうございました。
Commentaires (4)

G'bianca Celah

Titan [Mana]

これで完結なんですね、お疲れ様でした
今回も面白かったです、番外編なんだろう?楽しみです

G'monica Celah

Titan [Mana]

読み終わりました、最初から読み返してしまった。
次は私が主役で何か書いてほしいなぁ

G'giulia Celah

Titan [Mana]

お疲れ様です、続きが気になって夜しか眠れないです

Ce commentaire a été supprimé par son auteur.

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