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FF14 勝手に外伝 亡国の冒険者達 第二部 2

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第一章 冒険の始り再びとクリスタル
 
 カルテノーの戦いの後、あの空白の五年後にグリダニア郊外で目覚めたエンベルト・ジェーニオの最初の数ヶ月は悲惨だった。
 グリダニア双蛇党の士官として参戦した筈だが、戦場から謎の帰還をした後、軍籍はおろかジェーニオの人としての存在自体が無かった事になっていたからだ、武器も防具も無く、手持ちのギルも全く無く、
出陣前に暮らしていた官舎では入り口で
「ここは関係者以外立ち入り禁止だ、アラミゴ難民の冒険者風情が来る所では無い」
と冷たくあしらわれ、しかもそれがかっては自分の事を「隊長」と慕ってくれていて筈の部下だった、
などの言い尽くせない経験をした。
 仕方がなく、冒険者ギルドで紹介される簡単な雑用を細々とこなし、その日の食事代を稼ぐのが精一杯な状況だっだ。
 そんな時、たまたま声を掛けられた商人の護衛兼人夫として「ムントゥイ豆」をウルダハに運ぶ
仕事にありつき、ウルダハに向かう事になった。
「兄ちゃん良い体してるけど腕の方は確かなのか?」
「ああ、まぁまぁ自信がある」
「しかしお前、剣も持たずに・・・ほれちょっとサビてるけど、俺の剣を貸してやろう、その代わり護衛は任せたぞ、グリダニアも不景気だから、また野盗が増えてきてな、霊災の前は活気に溢れてこんなんじゃ無かったんだけどなぁ、今は俺たちみたいな他所者には冷たいし、嫌な雰囲気の街になってしまった」
とぼやく商人だった。
 確かに、霊災前の冒険者を積極的に受け入れて賑やかだったグリダニアとは全く別の街の様だった、
元々グリダニアは排他的で精霊の意思を口実にアラミゴ難民の受け入れも積極的では無かった。
しかし、第七霊災を予想した「エ・スミ・ヤン」と幻術皇「カヌ・エ・センナ」の働きかけで
グランドカンパニー双蛇党を復活させ、他国出身者でも幻術士として育成し、冒険者を積極的に受け入れてきた。
 ところが、カルテノーの戦いで、虎の子の冒険者部隊は壊滅、負傷者の救助に当たっていた
双蛇党幻術士部隊も多数の犠牲者を出して、散々たる有様で帰還したのだった。
 双蛇党に参加しなかった幻術士には家柄だけでその地位を得た守旧派が多数を占め、戦場から逃げ帰った守旧派幻術士も多い、その結果、元々『教条的な一国平和主義』を唱える守旧派が勢いを増し、それが
今のグリダニアの閉鎖的な雰囲気を作り出している。
 
 とにかく、久しぶりに手にした武器は古びた片手剣だったが、思いの外使いやすく、道中の魔物や盗賊の撃退に大いに役立った。
「お前、本当に良い腕してるなぁ、それだけ強ければ、ウルダハのコロセウムですぐにでも剣闘士になれるぞ、何だったら俺が紹介してやろうか?」
「(剣闘士かぁ、そう言えば前にやつが・・・・あれ?やつって誰だ・・・誰かが剣闘士は稼げると言ってたのを聞いた事が有ったなぁ、あれは誰だったんだろう?)」
 とにかく、そんな経過でウルダハで剣闘士から始めたのが、ジェーニオの第二の冒険者生活の始まりだった、そしてその時知り合ったのが(二回目なのだが)同じ新人剣闘士仲間の冒険者グ・エンベルトである。
 新人戦の決勝戦で相対した二人だったが
「(なんだ、この戦い方、俺はどっかでこいつと戦った事がある?)」
グ・エンベルトの魔法攻撃からの剣撃を受けて、ジェーニオはそう感じた。
しかも敵としてでは無く、味方として何回も戦場を共にした感覚だった。
 同じ事はグ・エンベルトも感じていた
「この戦斧の使い方、次は、跳躍からの三連斬撃、いや四連斬撃か?」
と、お互いの攻撃を先読みして対処するので、勝負は付かず、結局時間切れ引き分け
両者優勝で、賞金と商品を分け合う事になった。

 試合後、どちらから誘う事も無く、二人で飲みに入った安酒場で
「そうか、お前も五年の空白組かぁ、俺と同じだな」
「なんだ、その空白組って?」
「冒険者の中のほんの数人なんだけどな、俺やお前みたいにカルテノーの戦いの途中から記憶が無いやつがいるんだ、目覚めたらどっかの都市の付近で五年も時間が経ってました、って妙な話さ」
「そうか、俺の他にもいたんだな。ところでさっきお前と戦っていて思ったんだけどな、俺たちどこかで一緒に戦って無いか?お前の剣技に覚えがあってな」
「ああ、それは俺も感じた、あの戦斧の戦いかた、見覚えがある・・・だが思い出せないんだ、
あ、そう言えばお前、宿屋に泊まったか?」
「宿屋?なんで?快適とは言わないけど、コロセウムの剣闘士宿舎は悪く無いからな、宿屋に泊まる必要なんて無いだろ」
「まぁそうなんだがな、一度騙されたと思って「砂時計亭」に泊まってみろ、驚くぞ、あ、もし俺の言っていた通りなら、次の飲み代はお前のオゴリな」
そう言われて、「砂時計亭」にチェックインしたジェーニオだった。
「流石にウルダハだな、豪華な作りだ・・・久しぶりに風呂に浸かって寛ぐか」
(剣闘士宿舎にはシャワーしか無い)
そして、風呂から出て、バスローブでも無いかとクロゼットを開けると・・・
「うぉーなんだこれは?」
つい歓声を上げてしまった。

 翌朝、ジェーニオはクイックサンドで少し遅めの朝食を取っている。
昨日までの借り物の防具に戦斧では無く、整った身なりに、武器も一見して高価そうな双剣や戦斧を所持している。
「おはよう、その様子を見ると当たりだったみたいだな」
「おう、見てくれ、どんな魔法か奇跡か知らないが、母に貰った双剣や戦斧、父の形見の法衣や武具、前に着ていた服になんと財布まで・・・礼を言うよ、本当に助かった」
「何、俺も他の奴に話を聞いて、ダメ元で泊まって見たら同じ事が起きたからな、俺のこの剣も同じだ、
自分で作った剣だから愛着があってなぁ、無くなって往生していたんだ、本当に不思議だがな」

 と、これ以降親友(二度目の)として、剣闘士と冒険者の道を再び歩み始めた二人であった。
二人とも一緒に不滅隊冒険者部隊に一兵士として所属し著しい戦功を上げ、直ぐに下士官、士官と昇進したのは、これからわずか数ヶ月後の事であった。

 そんなある日、ジェーニオ達が久しぶりの非番で、兵営で寛いでいると。
「エンベルトさん、セレンディピティーさんがお呼びです、グ・エンベルトさんと一緒にギルドまでおいでいただけますか?」
彫金師ギルドのジェマイムが迎えに来た。
セレンディピティーはジェーニオ達の彫金の師匠である。

 「お二人とも、お休み中に申し訳ありません、大事な仕事をお任せしたいのですが、引き受けていただけますよね、これは何だかわかりますか?」
「はい、私達も持っている『ナイトの証』ですね」
「そうでした、お二人もお持ちでしたね、実は「銀冑団」が増員する事になったそうで
総長ジェンリンス様より『ナイトの証』を12個注文いただいたんです、でも材料の高純度クリスタルが全然手に入らなくて、納期が明日なのに先ほどやっと届いたんです、なのでお二人の手をどうしてもお借りしたくて」
「わかりました、任せてください、具体的にはどうすれば良いのですか?」
「まず、クリスタルを同じ形に加工してください、次にこの古代アラグから伝わる転写機で武人の魂の情報を転写します、元になる『ナイトの証』があれば、何回でも転写可能で、元の『ナイトの証』を損なう事はありません、よろしくお願いしますね」
「面白そうだな、さっそくやってみよう」
二人は言われた通りにクリスタルを成形すると、転写機にかけた。
こういう作業はなぜか得意な二人である、本来なら二人で二日以上かかる仕事を半日で終えてしまった。
「もう出来たんですか?出来栄えも素晴らしいですね、後ほど「銀冑団」に納品したら、お二人には相応のお礼をいたします」
 
 セレンディピティーにそう言われて、ジェーニオ達は即答した。
「礼と言う事なら、この残った高純度クリスタルをいただきます。あと転写機を少し貸していただけないでしょうか?」
「それで良いのですか? 構いませんよ、クリスタルはもう必要無いし、転写機も使用する予定は無いですから」

「まさか同じ事を考えていたとはな」
「ああ、やっぱりお前もか?」
 エオルゼアでは兵科を『クラス』と呼び、今現在有るクラスは武術が五種類、魔術が三種類である
二人共、元々修行したクラスに加えて、蛮神退治等の任務の度に訪れるリムサ・ロミンサやグリダニアのギルドで修行してこの八種類のクラスは全て取得して『Master Fighter』と『Master Sorcerer』の称号を持っている。
 ただ、第七霊災の少し前より、クラスの上位兵科が次々と復興され、それらは『古のジョブ』と呼ばれている。二人が共に使えるグリダニアの古都「アムダプール」の『白魔道士』とウルダハの近衛兵「銀冑団」で継承されていた『ナイト』、ジェーニオが師父から受けついだアラミゴ王国の『モンク』、グ・エンベルトが継承したマハの『黒魔道士』などがそれにあたり、その他にも古代の都市国家ニームの『学者』、古代アラグ帝国の『召喚士』、グリダニアの伝説の『詩人』東方の国由来の『忍者』イシュガルドの『竜騎士』アバラシア山脈ローエンガルデ族に伝わる『戦士』等がこの時点で知られていた。
 二人共、武術家としてこれらのジョブを習得しようとしていたが、ジョブは技や術を修行では無く、それぞれ『ナイトの証』と同じ様なクリスタルで継承すると言う特徴が有った。
 もちろん、前提となるのは「武術」や「魔術」を極めている事が条件ではあるが、数年の修行が必要な『クラス』と違い、このクリスタルさえあればより強力な技や術を直ぐにでも取得できる事が冒険者にとって多いに利点となる。
 もし全てのクリスタルが簡単に複製できるものならば、その恩恵は莫大な物となる。
「俺はこの『モンクの証』を複製してみる」
「俺は、黒魔道士の『シャトトの魔石』だ、とりあえず、作ってみよう」
二人はクリスタルの複製を作成した。
そして、それを交換して手にすると・・・
「なるほど、これが『疾風の構え』だな、そしてこれが『双竜脚』凄いな、モンクの技が頭に浮かんでくる、確かにナイトになった時と同じだ」
「どれどれ、確かに俺も黒魔法が使える様になった、これは素晴らしいな」

二人で実験の結果をセレンディピティーに報告すると
「まぁ大変な発見なのね、『ナイトの証』」だけでは無く、全てのジョブのクリスタルが複製可能だなんて・・・でも、これはちょっと私の手に余るから、二人の間でどう処理するか決めて下さい。
ラウバーンさんにはお伝えした方が良いとは思いますけど」
 セレンディピティーは砂蠍衆の「ロロリト」に雇用されている身分である、この事をロロリトが知れば
新たな商売のネタにしかねないのは簡単に想像が付く。
「ナイト」の技程度ならそれ程問題にはならないが、つい先日まで禁忌とされていた「黒魔法」までクリスタルで複製できると言うのは非常に危険な事だからだ。

 ジェーニオ達はその足で、不滅隊本部に行きラウバーンに経過を話すと、大変喜ばれたが、やはり
ラウバーンも危惧する所は同じで有った、この情報は二人が信頼する者のみで共有し他言無用と言う事で
この場は収まった。
 そして、二人の他のジョブ全てを極めたいと言う希望は快く了解してもらえた。
「貴様らには蛮神絡みの任務が有るので頼みたいと思っていた所だ、蛮神ガールダにリバイサンとタイタンが召喚されそうだと言う情報が双蛇党と黒渦団から来ている、ちょうど良い機会だから手分けして任務に当たり、ジョブを取得してくると良い、ガルーダーはグリダニア、残りはリムサ・ロミンサだ」
「は、了解しました、そういう事ならリムサ・ロミンサは任せたぞ」
とジェーニオ
「あ、そうかお前はあそこの出身だったな、俺もグリダニアには行きたく無いからその気持ちは良くわかる、母や姉に会っても知らない顔されると思うと辛いよな」
これは二人だけが判る話で、ラウバーンは何の事だ?と言う顔をしている。
この時点ではまだ『空白の五年』問題は解決していないからだ。
 
 そんな訳で任務を引き受けるついでに、それぞれ新しいジョブを身につけて帰ってきた二人はお互いのクリスタルを複製して交換しあって、ジョブのレパートリを増やしたので有った。
 どちらかと言えば、「ナイト」「戦士」「モンク」「召喚士」「忍者」が得意なジェーニオと
 「白魔道士」「黒魔道士」「学者」「詩人」「竜騎士」が得意なグ・エンベルトの違いはあるが、
二人が揃って高位の技と術を取得したのは、不滅隊にとっても大きな戦力増強になった。

 そして、その後イシュガルドでは『暗黒騎士』『機工士』『占星術士』も所得して
二人共当時のエオルゼア全土の全てジョブを取得して「Grandmaster of War」「Grandmaster of Magic」の称号も併せ持ったのは当然の結果だった。

 幾多の称号を持つジェーニオには渾名がある、『第三の男』『青燐水王』と言う物である。
第三の男とはウルダハの経済に関わる三番目の男と言う意味で
 当然、一番目は東アルデナード商会会長「百億ギルの男」こと『ロロリト・ナナリト』であり、
二番目は「マンダヴィル・ゴールドソーサー」のオーナー「エオルゼア最強の彫金師」こと
『ゴッドベルト・マンダヴィル』である。
 かっては、この二人にウルダハの金融を支配していた「ミラージュトラスト」総裁のテレジ・アデレジ、「アマジナ鉱山協会」のフィルガイス・ルートキルブシンを加えた四人が実質ウルダハの経済を支配していた。
 しかしテレジ・アデレジは女王暗殺(未遂)事件の首謀者として、当時の不滅隊局長ラウバーンに粛清され、ミラージュトラストは解体。
 フィルガイス・ルートキルブシンは「アマジナ鉱山協会」傘下の鉱山の度重なる鉱山事故や、帝国軍侵攻による青燐水精製所の度々の閉鎖等が原因で最近は没落しつつある。

 ジェーニオは冒険者「エオルゼアの英雄」、不滅隊冒険者部隊の指揮官、そして今やウルダハ第三の豪商としても評価される様になったわけである。
 アラミゴ臨時政府に加わり砂蠍衆を退いたラウバーンに変わって、新たな王党派の砂蠍衆に推挙されているとの噂もある位だ。

 現在のジェーニオは、「アマジナ鉱山協会」から「青燐水精製所」を買収『青燐水王』と言われる様になり、さらにウルダハ王家からの信頼もあり、王家が所有する旧ミラージュトラストの資産運用を任されている。
 ジェーニオもラウバーンと同じ様に剣闘士として賞金を稼いでいたのだが、その他にも冒険者として
各地の盗賊や魔物退治の報酬でそれなりの資産を蓄えていた。
 ジェーニオが非凡な手腕を発揮したのはそこからで、今まで稼いだ資産をほぼ全て「青燐水」の相場に投入して莫大な利益を上げたのだった。
 北ザナラーンで「カストルム・メリディアヌム」に駐留していた帝国軍が攻勢に出れば、「青燐水」の生産が滞り、価格は高騰する。
 この情報を冒険者としていち早く入手したジェーニオは、ここで相場に大量の空売り注文を出しておき
自らが、冒険者部隊を率いて帝国軍を制圧する、すると結果的に「青燐水」の供給は安定して価格は低下する。この時に莫大な利鞘が稼げるのである。
 言ってみれば自分を利用したインサイダー取引なのだが、もしここで帝国軍の制圧に失敗すると
逆に巨額の負債を背負う事になり、ハイリスクハイリターンと言うよりは命がけの錬金術だったとも言える。
 こうして空売り、空買いを駆使して、蛮神討滅や蛮族平定、帝国軍との戦いの度に値上がり、値下がりしそうな資源を同様に売買して富を築き、金の力が正義と言われるウルダハで第三の男と言われるまでに登り詰めた。
 もちろん、途中から親友であり、義弟でもある「グ・エンベルト・ヌン」も投資に加わり
二人の共同出資会社「エンベルト・ブラザーズ・トラスト」の現在を築き上げたのだった。
 大胆で独創的で行動力が有るエンベルト・ジェーニオと緻密な計算と企画力のあるグ・エンベルトの二人三脚で今や「エンベルト・ブラザーズ・トラスト」はかってのテレジ・アデレジの「ミラージュトラスト」を凌ぐ資産を持っている。
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