Personnage

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クラック ブレイク デビルストーン ー 螺旋の装幀 ー

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小さな召喚士は、床に刻まれた光る模様を緊張した面持ちでじっと見つめている。
彼女の顔を照らす下からの青い光りが、表情をより一層悲壮的な物に見せる。

あの一つ目、今日こそ絶対に決着をつけてやる。
目をつぶり下唇を噛んだ彼女は、眉間にしわを寄せ、幼い顔を怒りの表情で歪ませる。奥歯が鳴る。
キッと巨大な蛇女を睨むと、小さな胸に決意の炎を宿した彼女は、
金属質な床に一歩足を踏み出した。

彼女は今、北部森林の町フォールゴウトより西、山師の岩窟の先にある
とある構造物の内部、バインディングコイルと呼ばれる円形の場所にいる。
彼女達の目的は、メリジューヌという蛇女の討伐なのだが、彼女の敵はそれではない。

彼女の敵、それは、憎きサイクロプス。一つ目のルノー。
馬鹿みたいな顔をした馬鹿みたいな一本角だ。
それを誘導し、ある方法で石化させる。
一見散歩のように見えて簡単そうだが、そう簡単にはいかない。

ぐぬぬ、今日こそ雁首並べさせて、しかる後に、蹴り飛ばしてやる!
彼女の目が、裁きの炎で燃え上がる。

騎士が重量のある盾を見事なスローイングで投げつけ、戦闘開始のゴングを鳴らす。
怒り狂った蛇女は、開始早々から炎を吐き出し、石化の呪いをまき散らし、
周囲を薙ぎ払い、シャーシャーと威嚇し襲ってくる。
先ほどまでの静けさが嘘の様に、戦闘の激しい音で溢れかえる。

早速、彼女の敵、ルノーが地面から黒い靄と共に現れた。
彼女は先制攻撃でルノーの気を引き、こちらにおびき寄せる。
ズシンズシン、と巨大な体がゆっくりとした動きで向かってくる。
「さぁこっちに来なさい!」と彼女は叫び、更に注意をひく。
すると、打ち合わせ通りに、仲間が蛇女の呪いの声を逆手に取って、ルノーを石化させる。仲間と彼女の息がぴったりとあい、理想的な位置で固まる。
「よし!先ずは1匹!」彼女は、これから始まる更なる敵の出現を予感し、
自分を奮い立たせるように、仲間に向かって大声を張り上げた。


戦闘開始から数分後、敵の波状攻撃が続いていた。
彼女は今もの凄く焦っている。

(このタイミングでその場所はまずい!!)

騎士のすぐ横に出現したルノー02に向かって、彼女は駆け出す。
既に石化しているルノー01の呪いが解けるまで、あと僅かしかない。
とにかく、02に攻撃を浴びせて、まずは呼び寄せる。いっそ01を壊すか。
いや、蛇女のあの表情。そろそろ呪いが来てもおかしくない。などと考えていると、
「砕ケテ!!!全員!!!死ネ!!!」
案の定、蛇女は叫んだ。ザラザラとした甲高い金属質な掠れ声が、石化の呪いをありったけの音量で空間にぶち撒ける。ビリビリと空気が振動する。
この絶叫には今までの呪いとは比べ物にならない、もの凄い怨念が篭っていた。明らかに違う種類の呪い。その呪いが、竜騎士を襲う。
「皆は各自集合!!アルはルノーを盾に!!」騎士が攻撃を捌きながら叫ぶ。
小さな召喚士の額に汗がにじむ。
01の石化が解けるのは!
02が予想よりも早く移動している!
呪いの解放のタイミングは!

ジワリ、
と床の模様から粘液質の液体が滲み出す。
紫に染まった床から、猛毒のダメージが彼女を襲う。

な、このタイミングで。駄目かも、私・・・って諦められるかぁああ!!!!!

消えかかった闘志に再び火がついた彼女は、
ドーナツ状の毒の円の内側に素早くバックステップする。
それとほぼ同時に、彼女の鼻先をかすめて竜騎士の石化の呪いがルノーを石化させた。
棘付きの棍棒を振りかぶったまま石化したルノー02は01を通り過ぎ外側で固まる。
石化の呪いが02に遮られてしまった形だ。

このままじゃ、石化が解ける。

思考がさらにスパークする。

彼女は素早く地面を蹴って飛び上がると、両足で勢い良く01を蹴り跳ばした。
そのまま01を踏み台にして後方へ飛ぶ。僅かに遅れて、紫の床が猛烈な光りの柱を吹き上げて爆発した。
爆風でクルクルと吹き飛ばされた彼女は、地面へ衝突する寸前に片手をついて跳躍し、膝立になって着地する。
視線の先には彼女が蹴った巨大なルノーの姿が、破砕音を響かせてゆっくりと崩れ落ちる所が見えた。
彼女の手にした契約の本がキラリと光る。膝のホコリを払って立ち上がった彼女は、改めて気を引き締めた。まだこれからだ。

彼女達と蛇女達の激闘は続いた。
容赦ない攻撃が互いを打ち、大音響をあげ続けている。人の体が打ち据えられる事で、これほどの音が出るのかと思うと身の毛がよだつ。

しかし彼らは一歩も引かない。

皮膚の下、
アラミド繊維の様に頑丈な蛇女の体組織を、二人の竜騎士の槍が同時に貫く。
「ゥー。」
散々喚き散らし続けてきた蛇女は、静かな声を漏らして倒れた。
苛烈を極めた戦いが終わりを告げる。
彼女達は勝利を勝ち取った。仲間達の歓声が起こる。

膝から力が抜けて、彼女は崩れ落ちた。
仲間達が戦いの功労者に駆け寄り、小さな彼女をかがみ込んで助け起こす。
傍でうんうんと頷いている戦友の顔は、今にも泣き出しそうだ。
そんな戦友の彼女に向けて親指を立て、片目の腫れた顔で笑って見せた。
そして元気よく立ち上がり、体全体で喜びを表現する。

ふと振り返ると、ルノーは消えている。あのルノーは一体何者なのか。
防衛機構の一部にしては生物的過ぎる、キメラだとしても不完全ではないか。
あごに手を当てた彼女が思案顔でいると、仲間がその手を取り指を差す。
その先には、二つの壺がクルクルと回っている。
ララフェルとミコッテの彼女達は、にっこりと見つめ合い軽やかに駆け出した。

天井の観戦者が「満足げに」彼らを見下ろしていた。

(オチヨさんに絵を描いていただきました!ありがとうございます!)
Commentaires (10)

Riu Mini

Ifrit [Gaia]

なんかたかさんはかっこいいのに、こないだのうちの白魔導師はおもしろ系やんかー!!!

次はさくやさんでお願いします( ̄▽ ̄)

にしてもりざいっちゃんと長老がかっこいいやんけ(e_e)

Altair Silver

Ifrit [Gaia]

>リウ
白魔の話はあれでもちょっとかっこ良くしたつもりだけど……。怒りのホーリーのとことか……。
さくやさんかー。さくやさんのメインて何だろう。それも含めてなのかな。

竜騎士かっこ良く書いてもいいでしょねー!でも控えめに書いた方です!
もっとかっこ良くしても良いかなって思ったけど、ナルシストっぽくてやめました……。

Taka Selu

Ifrit [Gaia]

頑張ってる私がしっかり書かれてる♪+.゚(*´∀`)b゚
小さいララが大きいルノーを引っ張って、フィールドを走って、とてもコワイけど一生懸命って感じがするよね!

Altair Silver

Ifrit [Gaia]

>たかさん
リクエストのルノーとの戦い書いてみたよ!
もっとカッコ良くぎゅっと詰めて書ければ良かったんだけど、どうしても長くなるなー。

Lip Tooon

Chocobo [Mana]

おちよさんに教えてもらい拝見!
すっごい読んでてwkwkしました!
うまい文を書ける人すばらしい…

Altair Silver

Ifrit [Gaia]

>リプトーンさん
紅茶さんですね!リウに教えてもらいましたw
読んで頂き光栄です。文章は素人で、勉強中です><
でもありがとうございます!また来て下さいね!

Taka Selu

Ifrit [Gaia]

おぉ!!!
いつの間にかにおちよさんの絵がついてるヽ(=´▽`=)ノ
大きいルノーに怯えながら必死に頑張ってるララは可愛いです♪+.゚(*´∀`)b゚

Riu Mini

Ifrit [Gaia]

やっぱりたかさんだけかっちょいいのはせこいからうちの話もあの面白いのからかっこいいのに変更しといて!

そろそろ四天王のやつもおもろいとおもうけどな、、またおもろ系になるか(e_e)

Chiyo Itimatu

Ifrit [Gaia]

挿し絵!挿し絵!嬉しい!嬉しい!!!
今度ララフェル長老さんの容姿とか聞きに、おうちに参りますね!
ホントに長老さんの文章尊敬します
もっと読みたい!

Altair Silver

Ifrit [Gaia]

>たかさん
リウ経由でイラストをいただきました!やっぱりイラストがると、文章の理解度が増します!

>リウ
かっこいいのかぁ、考えとく。黒魔でいいかな。

>ちよさん
挿絵ありがとうございます!ララフェルの俺了解しました!
もっと面白い物を書いて、挿絵を沢山見てもらえる様にがんばります。
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