この日記は二次創作になります。
独自設定並びに、独自解釈を含みます。
また下記ネタバレを含みます。
・巴術/召喚士クエスト
・蛮族クエスト
・クリスタルタワー関連
・メインクエスト
・その他サブクエスト等
また露骨なパロディーを含みます。
ご注意ください。---------------------------
前回までの3つの出来事 1つ、アリの群れの出現から陰謀に気が付くク・ウガ! 2つ、ギ・グの幼馴染ギ・ルの策略で分裂する789洞穴団! 3つ、傷心のギ・グがもう一度立ち上がる!---------------------------
「そうですか……そんなことが……ウリエンジェさん、どうもありがとうございました」
ク・ウガは通信を切り、溜息をついた。
知り合いの研究者から得た情報は、思いのほか重いものだった。
「……そういうことか、リアルアントの習性は」
と、ク・ウガは、リンクパールを取り出した。
「シドゥさん! 聞こえますか……ク・ウガです、そちらは……えっ? 第789洞穴団が……!? わかりました、それなら俺の言うことをよく、聞いてください!」
ク・ウガはシドゥに、話し始めた――。
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――ウ・ガマロ武装鉱山
「お、おまえーら! なんのつもーりだ!」
「い、いたーい! や、やめーて! たすーけて!」
上位の洞穴団に所属するエリートのラウンズマンたちが、大勢のコボルド達に襲われていた。
採掘道具や、炸裂弾を投げつけられ、片っ端から捕縛されている。
怪我をしている者もいるようだ。
「ガ・ラの欺瞞をゆるすーな!」
「ガ・ラはアリを使ってわるだくーみをしていーる!」 彼らを襲っていたのは、先日のリアルアント騒動の際、ギ・ルのたくらみに乗って騒ぎを大きくしていた第753洞穴団、そして、第789洞穴団……彼らを中心に、下位の洞穴団が幾つも集まっている。
それを後方から指示しているのは……第193洞穴団。
ラウンズマン193ギ・ルの指揮する集団であった。
「ククク……これでいーい! 所詮、今のエリートたちは腐敗したコボルド社会のなーかでのし上がった連中だ。 下位でもない、最上位でもない、俺たちのような者の中にこそ、新しい時代を作る本物のコボルドがいるのーだ……」
「なにごーとだ!?」
騒然とする鉱山内の様子に気づいたペイトリアーク06 ガ・ラが、部下に叫んだ。
「下位の洞穴団が鉱山内で突然あばれだしたーのです!!」
「なんだーと!? く……この間のアリの騒動で、なにーかみられたのーか!? こ、こうしてはおられーん! 急いーで実験場に降りるーぞ! 高純度クリスタルだけーはなんとしてーもオ・ゴモロに持ち帰るのーだ!」 ---------------------------
「ぼ、冒険者さーん、まってーよ!」
「チッ、早くしろ! 置いていくぞ」
シドゥとギ・グは、ウ・ガマロ武装鉱山へ急いでいた。
第789洞穴団を止める為、そして、ク・ウガから聞いた話の真偽を確かめる為だ。
シドゥは、通信でク・ウガから聞いた内容を思い出す。
『リアルアントは百蟲綱としては非常に珍しい習性があるのです。
彼らは、強い生命力を持った生物ですが……エーテルの干渉に極めて弱いのです。
ただ、それに対抗する手段として、彼らは体内に少量のクリスタルを取り込み、”魔力”……周囲の環境エーテルに対抗する力を身に着けるのです。
……故にリアルアントたちは、クリスタルの近くに巣を作り、また、体内に取り入れるクリスタルを得るための坑道を作る習性がある。
……つまり、このアリが大量に発生したという事は、あの鉱山には……』 「――大量のクリスタル……つまりは
蛮神! あのギ・ルとかいう奴が今、クーデターを起こしているというのなら、その狙いは……」
「ギ・ル……! どうーして!!」
そして、シドゥは、ク・ウガのもう一つの言葉も思い返していた。
『そして……以前、シャーレアンで、このリアルアントを使ってクリスタルの採掘を行えるという論文を書いた男がいます、つまり、今回の騒動は……最初から……』
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――ウ・ガマロ武装鉱山深層
「召喚実験場」 ペイトリアーク06 ガ・ラが慌ただしく部下に何かを運ばせている。
「
チッ、こんなことになったのも、あのアリが思った以上に増殖したせいーだ……急ぐのーだ!! この
高純度ヒュージクリスタルさえあれーば!」
「……そうだーな、これさーえあれーば! これだけ膨大なエーテルを持つクリスタルがあーれば、タイタンさーまを呼んで、リムサ・ロミンサを潰し、コボルド社会を立て直せーる!」
「!? だ、だれーだ!?」
「此処が”天使い”とかいう奴らに作ってもらった、タイタンさーまの召喚実験場か!」
ラウンズマン193ギ・ルが、ガ・ラの前に現れた。
「き、きさーまは確か193洞穴団の! ど、どうしーてここーに!」
慌てふためくガ・ラを見て、ギ・ルは嘲るように近づいていく。
「どうしてだろーね、ガ・ラさーま? ……でもそれにしてーもさ……いいとこーろに高純度クリスタルを隠したーね? ……ここーはコボルド族の中でーも限られた者しかしらなーい、知る由もなーい場所……なぜなーら、同族を殺しーて供物にすーる場所! そしーて、我らコボルドの神である筈のタイタンさーまに対して、畏れ多くも、”実験”をするたーめの場所なんだかーらな! トップシークレットだよーね!!」 「う……うう!」
「長老たーちが度重なる失敗で、流石に頭が冷えたのーもわかるーよ? これだけの事をしてたーんだ、5番目までの洞穴団の連中はどいつーもこいつーも引っ込んで表に出てこなくなった、やったことの責任を取らされるのがこわいかーらだ!! 本当に年寄りは何かに頼るこーとしかしなーい!」
「く……言わせておけば……お前みたいなヤツになにがわかーる!」
ギ・グの発言に、ガ・ラが激昂した。
「我々が……どんな思いでタイタンさーまにすがったのーか! 犠牲を払うことを決めたのーか知らんくせーに!」
ガ・ラは手を振り上げた。
「……邪魔はさせーん、我らにーは力が必要なのだ、来たりまーせ……我らが同士よ!!」
と……ガ・ラの呼びかけに、物陰から、二人の魔導書を抱えた男が現れる。
「フッ……」
「フフッ……」
「さあ、ヤ・バダー殿! ヤ・バズー殿! 報酬はクリスタルで払いますーぞ! この不届きものを……」
「くくく……はーはっはっは」
「な、なにがおかしい!? この方たーちは、私の計画の賛同者にして一級の戦士! 中級ラウンズマンの貴様程度でーは」
「ははははは! ばーか! ばーか!」 「フッ!」
魔導書を抱えた男、ヤ・バダーがルインの呪文を唱えた。
……ペイトリアーク06ガ・ラに向って。
「何っ!?」 ドガァッ!
ルインが、ガ・ラに命中し、周囲に爆発音と粉塵が舞った。
――か、に見えた。
「あ……あ……助かったのか?」
「……危ない所でした」 ガ・ラは無事だった。
すんでのところで、ク・ウガがルインの魔力に同じルインをぶつけ、魔法の軌跡を反らして彼を守っていた。
「チッ……お前、あのアウラ・ゼラと一緒じゃなかったんだ」
「俺に盗聴されている可能性に気づいて、先回りしたか……流石だな」
「やはり、貴方たちでしたか……! ヤ・バズー! ヤ・バダー! 英才の多いヤ族の中でも天才兄弟と言われた貴方達がどうしてグ・ロンギの一味なんかに!」
「フン……お前はいいよなぁ……! 挫折ってやつを知らなくて!」
「羨ましいよね……兄ちゃん、こいつにも地べたを這いずり回る屈辱……味合わせてやろうよ」
「こ……これは一体……!? ヤ族の兄弟が、あのラウンズマンとも通じていたのーか!?」 「ガ・ラさん、やはりそうでしたか……この高純度のクリスタル……リアルアントの習性を利用した採掘のやり方を彼らから聞いたんですね」 「……」
「リムサ・ロミンサとの和平交渉は、全てこのクリスタルを確保する迄の時間稼ぎ、違いますか?」
「……くっ」
「……最初から、彼らは、貴方だけでなく、あのコボルド族、ラウズンマン193ギ・ルとも通じてたんですよ、全ては……彼らがこのクリスタルを大量に手に入れる為に……」 「「……」」
「な……に? では……この間の……アリも……!? 今回の暴動ーも!?」
「すべて、仕組まれていたんですよ……そして!」
「……ハッ」
――もう一度、ヤ・バダーが魔導書に力を注いだ。
ルインの魔法が、再び放たれる。
――今度は、ギ・ルに向って。
「!!」 ---------------------------
武装鉱山内部。
未だ下位コボルド達の暴動は続いていた。
「こいつーめ! こいつーめ!!」
「やめーて! いたいーよ!」
第789洞穴団の面々も、捕縛されたエリートたちに石つぶてを投げつける形で暴動に参加していた。
動けないエリートコボルド達は、周りから寄ってたかって石ころをぶつけられて泣いている。
そこへ……。
「やめなーよ……みんーな! こんなーの、よくないーよ……」
ギ・グが駆けこんできた。
「ギ、ギ・グ!!」
「な、なんだーど! おまーえ! 向う側につくのかだーど!」
「ぼ、ぼくたーち……いやがらせーや……仕返ーしはしてきたけど! こ、こんなの、弱いものいじーめだーよ」
「ギ・グ! こいつーらを束ねーる、ペイトリアーク06 ガ・ラは、我々をいいように使っていたんですーぞ!」
「そうであーる! コボルド社会の不満から目をそむけさせーる為に利用されーたのだ! 全部ガ・ラがわるいーのだ!」
「で、でも……」
「でもじゃないーど! はっきり言えーど!」
「……こ、ここにいるコボルドたーちを、い、いじめていい理由にはならないーよ! そ、そんなーの、ぼくたーちに酷いこーとしてたゾ・ガとおなじだーよ!」
ギ・グは第789洞穴団の面々に弱々しいながらもハッキリと言った。
「ぼ、ぼくたーちはバカにされーたし、仕事もできないけーど、だけーど、それでーも、上手くいかなーい事を他人のせいにはしてこなかったじゃないーか、それでもなんとーか、やれること、やりたいこーとを、してきーたじゃなーいか……せ、折角の仕事がなくなったのは悲しいけーど……それでも、これがみんなのやりたいことなーの……?」
「……」
ギ・グの言葉に、第789洞穴団の皆は押し黙った。
「ぼ、僕は……またみんなーと、あそこーで、一緒にはたらきたいーな」
「ギ・グ!」
シドゥが、ギ・グを呼んだ。
「ぼ、ボクはギ・ルを止めにいかないーと、みんーな、お願いだーよ」
ギ・グはもう一度789洞穴団に言うと、シドゥの後を追った。
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ヤ・バダーがルインを放った直後、爆発と閃光が、実験場を包んだ。
しかし、それは……
「ゲホゲホッ……! なんだこれは……!?」 ク・ウガが溜まらずに咳き込んだ。
眼も閃光で眩んでいる。
「クソっ!? どうなっている……!?」
「ハッハッハ! 効いたーな! これこーそ、ゾ・ガの置き土産、新型グレネードちゃーんの一つ、”スタン・グレネード”ちゃーんだ! 動けまーい!!」
高笑いを上げる、ギ・ル
「自分が騙す側だと思っている人間こそ、騙しやすくーて仕方ないーな! お前らーが俺かーらクリスタルを奪って独り占めしようとしているこーとなんーて、とっくに気づいていたーわ!」
「チッ……」
眼をこすり、ふらつくヤ族の兄弟。
「……フフ、今こーそ……だいーちを統べるー我らが父よー! きたりまーせー! きたりまーせー! 岩神タイタンよー きたりまーせー!!」
もはや、ギ・ルを止める者はいなかった。
ギルは、高純度ヒュージクリスタルを触媒に、タイタン召喚の儀を開始した。 「あわわーわ……!?」
クリスタルが発光しだす。
ギ・ルの召喚の儀と願いに反応しているのだ。
搬送作業をしていたコボルド達が溜まらず逃げ出す。
「ゴホッ……やめろ! 若造! こんなことしてーもなーんにもならないーよ! こんなことーじゃかわらないーんだ!」
「だまーれ! タイタンさーま! きたりーまーせー! 歪んだコボルドの社会も! オ・ゴモロも! 海の上の汚い街も壊しつくーせ! そして……我が力となりたまーえ!!」
そして、クリスタルから放たれる光が、徐々に収束し、形となり始めた。
「くっ危険だ……ひとまず離れなくては!!」
ク・ウガは、まともに閃光と煙を受けたガ・ラを抱えて、実験場の隅まで走った。
「ゲホゲホッ! し、使者どーの、あいつをとめーて! ……タイタンさーまがまた歪んでしまーう! ク、クリスタルが……消えちゃーう……!」
「ガ・ラさん……貴方……」
ク・ウガはガ・ラを物陰に寝かせた。
ガ・ラは言葉を続ける。
「かつて、わ、私はみーたのだ……ヒトの英雄が……我らの岩神の召喚を四度阻止しに来たとーきだ……我々は
ヒトへの怒りかーら、同族を殺め、生贄にしーて……神の力をたかめーる、という忌むべーき方法をとったのーだ……でも、それによって、結局は一人のコボルドの子供が不幸になって、タイタンさーまも狂ってしまった」
「……」
ク・ウガは俯いた。
ガ・ブの事件。
伝説の英雄と、暁の血盟の少女の話のあらましを、知人の研究者から聞いていたからだった。
「ゲホッ……わたーし達は、コボルドの神官なのーに、あんーな……タイタンさーまを呼び出しーてしまった……だかーら、もう二度と……掘り出したクリスタルは召喚には使うつもりはなかーった……ヒトとの交渉に使うつもりだったーんだ!」
「……貴方は……リムサを脅そうとせど、襲うつもりは無かったんですね」
「力は交渉の為にあーる。 クリスタルを元手に、経済力をたかーめ、それを背景に対等にヒトと渡り合う力、力が欲しかーった……だから、頼む、止めてくーれ、あのわかもーのを……!」
「……わかりました!」
「もうおそーい! 見ろ! タイタンさーまが降りられーる!!」
光は先ほどよりも強さを増し、そして……。
「ウォオアアアアアアアアアアアアアアア!!」
周囲の岩石を巻き込み、蛮神タイタンが、形を成して降臨した。
「おおお! 岩神さーまよ! わが祈りをかなえたまーえ! この歪な世の中を正し! 邪悪なヒトを滅ぼーし! そしておれーを!」
ギ・ルはタイタンに歓喜の声を上げ、祈り、縋った。
しかし……。
「ヴァオアアアアアアアアアアアアアアア!!」
「え?」 ――タイタンの拳は、ギ・ルの体を吹き飛ばした。 「な……な……んで……!?」
ギ・ルは十数ヤルム吹き飛ばされると、岩盤にたたきつけられ、動かなくなった。
「あああ! ギ・ル!」 「ク・ウガ無事か!? なっ……タイタンだと!?」
――リアルアントの開けた坑道を通って、ようやく地下実験場までたどり着いたシドゥとギ・グ。
ギ・ルに駆け寄るギ・グを守る様にシドゥは剣を抜いた。
すると……。
「やはり、暴走したか……あのような高純度のクリスタルを使えば、制御出来ない代物になるのは明白だったがな」
「ハンッ……ギ・ルの奴……欲をかかなきゃあんな目に合うこともなかったろうに」
スタン・グレネードの煙と閃光は通じていなかったのか――ヤ族の兄弟がタイタンに立ちふさがった。
「……騙そうとする奴ほど騙されやすいか、そうだな……おかげで騙しやすかったよ」
「まさか、俺達を出し抜こうとして、自滅する程、間抜けとは思ってなかったけどね!」
ヤ族の兄弟は、ベルトを取り出し、腰に装着する。
「アラガントランスベルトχ!? いけない!!」
「ク・ウガ! あいつら……!」
「召喚!」 「合体!」 「「変身!!」」 ――魔導書と、二人のベルトが輝く。
そして…… 「グァアアアアアアアアア!?」 タイタンが苦しみだす。
タイタンの胸元には、鎖のようなものが突き刺さっている。
「フフ、力が湧いてくる……これぞアラグの秘術の一つ……」
「エーテルドレイン!!」 「タ、タイタンさーまが……す、吸われていーく……」 あまりの光景に、神官であるガ・ラが絶句する。
「ガ、ガァアアアアァァ……!!」 そして、タイタンは全てを吸収されたのか、僅かなエーテルの粒子を残し消えていった。 「フッ、流石に、あのクリスタルで呼び出されたタイタンの力だ、二人分の召喚合体を成功させるには並みの神では足りんからな」
「苦労した甲斐があったね、兄ちゃん! これでベルトに神との交信を完全定着させることができたよ」
「あ……あれは」
ク・ウガが二人の姿を見て驚く。
「我らが甦らせた神の力……見せてやろうぜ……俺達の兄弟仁義を!!」
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