サッカーJリーグで先日8日に行われた浦和レッズの試合中、ホームの埼玉スタジアムで一部サポーターにより掲げられた「JAPANESE ONLY」の横断幕が掲げられた問題に対して、当のサポーターはもとより、試合終了後まで撤去しなかった浦和レッズに対しても批判が集まっている。
差別横断幕でレッズに「無観客試合」の処分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140313/k10015943251000.htmlJリーグ側が下した処分、チーム側が決めた対処は、大きな代償を伴うものだった。
・【問題のサポーター当人とサポーターグループ】無期限活動停止とレッズの全試合入場禁止
・【浦和レッズ】23日の埼玉スタジアムで無観客試合(チケット収入減)
・【浦和レッズサポーター】今後の試合で横断幕や旗を掲げることを禁止。
個人的な印象としては、問題行動と直接関係ない浦和レッズサポーターの今後の応援スタイルまで制限を受けるのが妥当であるか疑問がある。正直、チーム側のミスの対応での「事なかれ主義」の生贄になってしまったのだと思っている。
もし、チーム側のスタッフが試合中に指摘を受けた時に、横断幕を掲げた当人への注意で済ませず強制撤去していれば、当のサポーターもここまでの処分を受けずに済んだし、チーム側も1試合丸損することもなかったし、他の浦和レッズサポーターもいままでどおり応援できていたはずだ。
センシティブな問題に対して初期の対応を誤った結果、事が大きくなると、それを納めるために多くの代償を差し出さなくてはならなくなる。
なぜ、Lodestoneの日記でこの話題を取り上げたか。それは「JAPANESE ONLY」という言葉が明確に『差別表現である』というコンセンサスが社会的に出来てしまうことが、FF14のプレイヤー文化に与える影響は大きいのではないか、と考えたからだ。
パーティ募集をする際、日本語の通じるメンバーだけでパーティを組みたい人が、システムによる条件設定の他に、コメントに「JP Only」と書くことがあると聞く。JPは「日本人」という意外に「日本語」という意味がある。
もちろん、当人には人種差別をする意図はないだろうし、他人の動機についての証明は困難であるから、「JP Only」を持って募集主が外国人を排斥する排外主義者である、というレッテルを貼るのは間違っている。
なので、「英語プレイヤーには不快に思う人もいるかもしれないが、差別とまでは言えないのでそれだけで処分するのは難しい」というのが一般的な意見だろう。
昨日までは。
ここまで大きな話になったのは、サッカーという国際的なスポーツだからかもしれないが、一度社会的に問題になることで、スポーツという文脈から外れて「JAPANESE ONLY」やそれに類する「JP Only」が『差別表現である』とされる。
そうなれば、書いた本人が差別の意図があるかないか関係なく、運営者たるスクエニが「多くのプレイヤーが見れる場所で、差別表現に対して何のアクションも取らないのは如何なものか」という形で批判される。運営が、だ。
「本人の意図を確認して、問題があれば対応する」
という穏当な対応を運営側がすることは、浦和レッズ側と同じ批判を受けるリスクがある。
自分は、基本的にスクエニのGMの方々はそういう問題にも性急な処分はせず、ルールと証拠に基づいた対応をしてくれると信じている。
ただ、それは「自分達が批判される立場でなく、ジャッジとして振舞える状況」であれば、だ。
覚えているだろうか。パーティ募集機能の紹介のSSで、「PS3お断り」という文言があるサンプルを放送してしまった事故を。
「FFXIV: 新生エオルゼア」パーティー募集画面の「PS3お断り」を謝罪
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20131021_620250.htmlその釈明のために皆川氏がフォーラムに投稿した内容がこれだ
http://forum.square-enix.com/ffxiv/threads/88073?p=1453203&viewfull=1#post1453203皆川氏はコメントの中でNGワールドフィルター機能の実装の検討を発表した。
自分はこのNGワードフィルターの機能も、この不始末が無ければ検討されていたか怪しいと考えている。
運営側の失点をリカバリーするために、本来予定になかった機能を約束してしまったのだろう。
運営側が「差別表現に対して敏感になる」デバフを受けてしまったように思う。
そしてコメントの中で
「様々なプレイヤーの方に楽しく遊んでいただくために、プラットフォームや言語によるハラスメントが起こらないように・・・」
と言っている。
プラットフォームによる差別と言語による差別を同列にハラスメントであると公式フォーラムのコメントで言っている。
言語による差別がハラスメントであるという運営の判断と、「JP Only」が発した本人の意図に関わらず『差別表現』であるという社会のコンセンサスとの合わせ技一本で、処分される可能性が出てくる。
それがバランスの取れた対応なのかは疑問ではあるが、「差別問題」ってのは理屈じゃないんだよね。「昔から普通に使っていた」という内輪の理屈を持ち出して正当化しようとすることは、今の社会では大きな反発を受けるだろう。
所詮表現の問題なので「JP chat party」など、「人種」ではなく「言語」に限定して穏当な表現を使えば、問題はないだろうと思うが、言語による差別はハラスメントって運営が言っちゃったからなぁ。
今回の浦和レッズの問題により、FF14でも「JP Only」という言葉のリスクは格段に高くなる。「JP Only」が「差別表現になるとは知らなかった」で許されなくなる分水嶺が今日だった、という雑感でした。
最後に、浦和レッズ淵田社長が、横断幕を張った人物の主張として語った言葉を紹介しよう。
https://twitter.com/tete_room/status/443981165712523264「ゴール裏は聖地、自分たちでやっていきたい。他の人達は入ってきてほしくないという意図があった。最近は海外のお客さんも来て統制が取れなくなる、という話を聞いている」
似たような主張をどこかで良く聞くな・・・