こちらは2021/10/31に開催された
「クガネ百物語_弐ノ巻」の担当怪談ログとなります。
──さて、前ふたつのお話はいかがでしたか?
背筋が寒くなるような恐怖も、休憩を挟んでずいぶん緩和されたのではないでしょうか。
しかし、この後にもまだまだ極上の恐怖が控えておりますれば、
ゆめ席をお立ちになることのなきよう…
さあ、前置きはここまでといたしましょう。
こうしてお話をするにあたり必要不可欠なのは、お聴きくださるあなたの想像力。
どうぞ、語られる風景を思い浮かべながらご臨席くださいませ。※多少のフェイク有
──バラバラの霊が見えて参っている。
そんな相談をされたのは、たまたま大学時代の友人──Sと久々に会った時のことでした。
昔から霊感のあるSは、ここ最近ずっとそれに悩まされていたそうです。
「最初は腕だった」とSは言いました。
遅くまで仕事をして、自分のアパートに帰ってくると
共用廊下の弱々しい明かりの下、
ドアポストから「片腕」がだらんと出ている。
えっ、と思った瞬間には消えていて、
数日経つと洗面所の鏡の中、
自分の肩に両腕が回されている。
「そのうち脚を見るようになった」とSは言いました。
何とはなしに乗り込もうとしたエレベーター。
闇に浮かび上がる明るい箱の中、
赤いヒールを履いた片脚だけがぽつんと佇んでいる。
ひっ、と息を飲んだ瞬間には消えていて、
数日後にはコンビニの自動ドアの向こう、
そろいのヒールを履いた両脚がぼうと立っている。
視界の端に毎日手足が入り込むようになってから一週間前ほどして
とうとう「胴体」を見てしまったというS。
「リーチかかってる気がする」
「頭まで揃うとどうなるか分かんないけど」疲れた顔で話すSが気の毒でした。
なぜ「それ」はSの前に現れるのか。
なぜつきまとうのか。
私もネットで殺人事件との関連や土地の噂などを調べましたが
Sの住んでいる場所でこれといったものはヒットしませんでした。
*****
それから1週間ほどして、Sからラインがきました。
「次の土日 泊めてほしい」
「一人でいると、視界の端にずっといる」
「気が狂いそうになって」あれからなにかとSを心配していた私はもちろん承諾し、
金曜日の夜に駅まで迎えに行きました。
たった1週間なのに、Sは疲れ切ったようなどろんとした顔をしていました。
少しでも気晴らしになればと、Sが行きたがっていた店に立ち寄ったり
おいしい店に連れて行ったりすると、
「ああ、やっぱり誰かといれば見えない」
「助かる。ありがとう」 わずかではありますが、ホッとしたようなSの顔を見て
私もホッとしていました。
結局、私の家に着いたのは23時を回った頃でした。
「お邪魔します」と玄関で力なく頭を下げたSは
それでも丁寧に靴を脱ぎ揃え、
振り返ったところでぴたりと止まりました。
どうした、と訝しんだところで、
Sが私を見ていないことが、その時分かりました。
「え、なに?」と、
私はSの見ている方──自分の後ろを振り返ったのです。
・
・
・
まだ明かりをつけていない、薄暗いリビングの真ん中。
ぽうん と 風船のように女の頭が浮かんでいました。
バサバサの髪の毛。のっぺりとした白い顔。
白目のない真っ黒な目。
つくりもののような実感のなさ。
「そろった」呆然とする私の横で、Sの声がします。
「そろった。そろった。はははは」見れば、Sはえへらえへらと笑っていました。
だんだんと押し寄せる悲鳴を飲み込みながら
再び「そちら」を見ると、
げら げら げら げら げら女は大口を明けて笑っていました。
今度こそ絶叫したのは私だったのか、Sだったのか。
気が付くと、私は玄関で倒れており
あの生首も、さらにはSの姿もありませんでした。
それから今日に至るまで、Sとは連絡がとれません。
でも、夢ではなかったことだけはわかります。
あの日から私にも見えるようになったから。
あの青白い腕が。
赤いヒールの痩せた脚が。
なにより、あの真っ黒な目をした生首が、
視界の端にいつもいるのです。
げら げら げら げら げらと。
*****
──以上が、とあるホラー系まとめブログに掲載されていた記事の内容となります。
怖い話があまり得意ではない者としては、
夜に読むんじゃなかったと少しだけ後悔したものです。
どこにでもあるようなサイトでしたが、
この記事の一番下には
「おわりに」という短いリンクが貼ってありました。
どうやら投稿主による追記のようです。
※以下閲覧注意※Cliquez pour afficherCliquez pour cacher
ここまで読んでくれてありがとうございます。
ごめんなさい。わたしは嘘をつきました。
これは全部作り話です。Sという友人はいません。
いません。
Sなんていません。
わたしもいません。
だれもいません。
想像さえしてもらえれば
内容はなんでもよかったから。
いません。いません。いません。
いまままままままままままままままままままままま。
あしを くれて ありがとう。
うでを くれて ありがとう。
からだを くれて ありがとう。
あたまを くれてありがとう。
わたしを かんがえてくれて ありがとう。
からだががが、がががが。がががががが。
ありがとう。あり縺薙l縺とう。
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げら げら げら げら げら
想
像
し
た
な
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