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【暁光の刻】第18話:暴かれた本性、揺るがぬ信念

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アサヒの言葉は、最後まで不穏さを隠しきれなかった。

「蛮族どもの英雄め……俺は、お前を許さない……」

それは、怒りとも憎しみともつかぬ、湿った執念に満ちた呟きだった。

振り返ったときには、アサヒは既に取り繕った笑顔で立ち去ろうとしていたが、その背に潜む狂信の影は、ユウギリの視線を鋭くさせた。

「これで肩の荷が下りた、とはいかぬようだな……」

ユウギリがそう告げると、ヒエンはゆっくりと頷いた。

「端から大使殿を信用していたわけではない。帝国内の民衆派とやらに期待もしておらん。ただ……」

そこまで言いかけ、ヒエンはふと目を伏せる。

「わしは、徴兵されたドマの民のために、できる限りのことをしてやりたいのだ」

声は静かだったが、その言葉の重みは確かだった。

「徴用兵たちは人質でもあった。それを知った上で、拙者は反乱を起こすと決めたのだからな」

「それは……ヒエン様の非では……」

ユウギリの声が静かに重なる。

「いいや、非があるかどうかの問題ではない。事実として、拙者は彼らを見捨てた。処刑もあり得ると知りつつ、反旗を翻したのだ」

ヒエンは深く息を吐いた。

「だからこそ、捕虜交換という形で彼らを帰せるならば……相手が悪鬼であろうと、取引に応じる理由となろう」

その言葉に、ユウギリは小さくうなずく。だが、その目は警戒を解かぬままだった。

「それにしても……そなたは厄介な男に恨まれたものよな」

ヒエンはそう言って笑ったが、どこか寂しげでもあった。

「……あれはしつこいぞ、きっとな」

その予感は、決して気のせいではないと、皆が感じていた。
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