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【暁光の刻】第10話:笑みの裏に潜む影

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「私は、帝国の属州政策を内側から変えるため、ここにいるマキシマら民衆派の同志たちと活動を続けてきました。そして、その活動を認めてくださったヴァリス帝により、全権大使の任を与えられ、派遣されてきたのです!」

アサヒは堂々と語り、最後に声を張り上げた。

「ドマと和平交渉をするためにッ!」

「……あいわかった」

ヒエンが答える。

「これ以上は、立ち話でする内容でもあるまい。貴殿らを客人として、我が館に招こう。ドマ町人地まで、ご同行願いたい」

「もちろん、喜んで!」

アサヒは満面の笑みを浮かべた。だが、その表情はどこか芝居がかっている。

ユウギリはその笑顔の裏に、得体の知れない不快感を覚えた。

「和平だと……? これまでの帝国の行動からは信じられぬ言葉だが……」

そのつぶやきが漏れた瞬間、アサヒがふいにこちらへ振り向いた。

「あなたは、もしや神殺しの……」

不意に漏れた言葉。

アサヒの目が、獲物を値踏みするかのように細められる。

「……おっと、挨拶をさせていただくのは、町人地までご案内いただいた後にいたしましょうか」

その声は、まるで何かを愉しんでいるかのようだった。

「……不穏ですね」

ユウギリは低くつぶやき、ヒエンの背を追う。

ドマの未来を揺るがす、波乱の幕開けになるのではないか——
彼女の胸に、そんな不吉な予感が渦巻いていた。

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