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紅蓮のリベレーター【第18章】自由か、死か  2-3 : 最後の戦いに向けて

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戦の傷痕がそこかしこに残るラールガーズリーチ。

砲撃に抉られた地面や焦げた草木が、その激戦を物語っていた。

それでも、人々は前を向いていた。

負傷者を支える者、傷ついた建物を修復する者、鍛錬に励む若者たち——それぞれが己の役目を果たしながら、明日を信じて歩み続けている。

アリゼーの治療を見届けたあと、リセは少し照れたように声をかけてきた。

「ねぇ、ちょっと付き合ってもらいたいことがあるんだけど……表で待っていてくれないかな?」

指示された場所で待っていると、リセが姿を現した。

いつもの装束とは違い、アラミゴの民族衣装を纏っている。

その姿は、どこか誇らしげで——それでいて、少し緊張しているようにも見えた。

「へ、変かな……? イダ姉さんのお気に入りなんだ。今さらマネをしたいわけじゃないけど……アラミゴ奪還の最後の戦いだから、いっしょに戦いたくてさ」

少しぎこちなく笑うリセ。しかし、その瞳には確かな決意が宿っていた。

「組み手に付き合ってくれる?」

言葉と同時に、一歩踏み込んでくる。

鋭い拳が繰り出されるのをかわしながら、こちらも応戦する。

風を切る音、ぶつかる拳の衝撃が肌に伝わる。

互いに手加減はなし——まるで、戦場での覚悟を試し合っているようだった。

何度か打ち合った後、互いに距離をとって息を整える。額には汗が滲んでいた。

「はぁ、はぁ……ちょっと気合入れすぎちゃったかな」

そう言って、リセが満足そうに笑う。その顔には、不安も迷いもなかった。

「でも、思いっきり身体を動かしたら、すっきりしたよ」

そう言いながら、拳を握りしめる。

「ありがとう……! あなたがいてくれて、本当に心強い」

リセは、静かに、それでも力強くそう言った。その表情は、どこまでも晴れやかだった。

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