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紅蓮のリベレーター【第15章】解放への鼓動 5-1 : 誇りと渇望の先に

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「何を怯えている?」

ゼノス・イェー・ガルヴァスの問いに、フォルドラは思わず奥歯を噛みしめた。

恐れている――だが、それは死ではない。

彼女が恐れたのは、何も成し遂げることなく、無力なまま終わること。

「私が怖れているのは、何も成し得ぬまま戦場ではない場所で死ぬことです!」

ゼノスは薄く笑い、玉座から立ち上がった。

「その熱情の炎は、周囲を燃やし焦がしてゆく。未熟ではあるが……悪くない。」

その言葉が与える意味を深く噛みしめる。

敗北があったからこそ、この瞬間にたどり着いた。

「ならば機会をくれてやる。命を賭けて超越者たる力を手にする機会をな。」

ゼノスが告げた言葉は、まるで甘美な毒だった。

フォルドラは即座に答えた。

「今日この場で失うことすら覚悟した命です。そのような力を得られるなら、何をためらう必要がありましょう?」

誇りを――生きた証を求めて彼女は前に進む。

その選択が正しいのかどうかは、まだ誰にもわからない。

その頃、アナンタ族のウィルラ派では静かな安堵が広がっていた。

「備蓄していたクリスタルはすべて処分したよ。」アルフィノが微笑む。

「アリゼーが、少々手荒な方法を使ったけどね。」

リセもまた、拳を握りしめた。

「これで、しばらくはウィルラ派の安全も守られる。今度こそ……アラミゴの地から帝国軍を追い出してみせるよ。」

それぞれがそれぞれの誇りを賭けて戦いの中を進んでいた。運命は再び、交錯しようとしている――。
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