Personnage

アナンタ族の土地での出来事は、過去の記憶を呼び覚ますものだった。

帝国の圧政から逃れ、奇跡を信じた者たち――彼らがすがった希望は、美神ラクシュミにあった。

「死した娘の復活を願ったカリヤナの族長、そして両親との再会を望んだガ・ブ……」

アルフィノの声が静かに響き、過去の出来事が再び現れるようだった。

アリゼーは俯きながらも、その瞳には決意が宿っていた。

「……ガ・ブのことを思い出すと、どうしてもね」

その想いは、隣に立つリセにも伝わり、「アリゼーの気持ちが伝わってきたから、気合も入っちゃうよね！」と明るく答えた。

彼女の言葉が、重い空気を和らげてくれる。

ヴァジュラとサリーシャが、「ジャナン・カット」の地下に隠された美神ラクシュミの神殿について語り始める。

「……美神ラクシュミが最も愛したもの。それこそが、自由。帝国に奪われた自由を取り戻さなければならない」

サリーシャの言葉には、強い祈りが込められていた。

「では……美神ラクシュミが待つ地下神殿へ向かおう」
ヴァジュラの合図で、一行は進み始めた。

静かな道を進む中、リセが優しく微笑んで言う。

目の前にそびえる「ジャナン・カット」の壮大な建物。

その威厳を放つ構造物が、静寂の中で不動のように佇んでいる。

ここで待ち受けるのは、肉体だけでなく心を試す試練――その覚悟はできている。


エーテライトを目指して進む一行の足取りは確かだ。

その先に待つ美神ラクシュミとの対峙が、どんな形であろうと、彼らを試す時が来た。

次の瞬間、風が強く吹き抜ける――空気が変わる感覚。

美神との対峙で何を選び、何を信じるのか。

試されるのは、信じた道を貫く強さだ。