Personnage

光の繭が消えた戦場を見つめながら、リセは静かに仮面を外した。

「イダ」として仲間たちと共に歩んだ日々。

仮面をつけたのは、亡き姉への憧れと、自分の弱さを覆い隠すためだった。しかし、今、リセはその重荷を下ろす決意を固めた。

彼女が歩んできた道は、決して平坦なものではない。幼い頃に帝国軍の侵攻で家族を失い、逃げ続ける日々。その中で、姉が示してくれた「強さ」を追い求めたリセは、姉の仮面を被ることで、理想の自分を演じようとしていた。

だが、それは本当の意味で「自分自身」として生きているとは言えなかったのだ。

「いつまでも背中に隠れているわけにはいかない」

リセの言葉には、彼女を支え続けた仲間たちの存在が宿っていた。ヤ・シュトラやアルフィノ、そして彼女に賢人の紋様を授けたパパリモ。

彼らの言葉や行動は、彼女が自分を見つめ直し、新たな道を選ぶきっかけとなった。

ヤ・シュトラはそっとリセの肩に手を置き、優しく微笑む。

「仮面を外したあなたも、強いわ。私たちがそばにいるから、大丈夫よ」

その一言に、リセの心は少しだけ軽くなった。

仮面の下に隠していた弱さを見せても、仲間たちは変わらず彼女を支えてくれると信じられたからだ。

リセは、かつての姉や父がそうであったように、今度は自分が「リセ」として立ち上がる番だと感じていた。

彼女にしかできない役目――それは、アラミゴを取り戻し、家族の悲願を果たすこと。そして、帝国に苦しめられた人々の未来を切り拓くことだった。

パパリモが遺した最後の言葉が、胸の中に蘇る。

「お前にしかできない役目がある」

リセはその言葉を胸に刻み、これからの戦いに臨む覚悟を固めた。

その決意は、ただリセ自身のためだけでなく、エオルゼアのため、そして自由を求めるすべての人々のために向けられている。

仮面を外したリセは、もう「イダ」ではない。彼女はリセとして、希望と未来を掲げ、新たな一歩を踏み出す。

――アラミゴを取り戻すために。