流されるってストレス対策の一種ではありますし、短期的には楽ですからね。
※蒼天3.2のネタバレが含まれます。
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エドモン伯は、今回の事態に息子が絡んでいるので直接話を聞きに来たそうです。
脚悪い割にフットワーク軽いんだよな。あくまで騎士としては動けない程度で、手持ちの杖は悪化予防なのかもしれません。
「これ以上、復讐を生きる理由と呼ばせるものか」というアイメリクさんの叫び、エスティニアンにもかかっているという指摘を見かけて、そういえばそうだったと今さらに思いました。
あそこマブダチだったわ(言い方)
肉親と弟と友達と故郷、その全てを竜に奪われたエスティニアンのような人は、イシュガルドにはざらにいるのでしょう。
彼はたまたま、能力にも環境にもタイミングにも恵まれて、復讐の機会を得ただけ。
同じ理由で生き長らえながら、給仕の彼女には得られなかった機会を。
生きてさえいれば、いつか竜を殺せるかもしれない。
復讐できるかもしれない。
仇を討てたと笑えるかもしれない。
そんな微かな可能性にかけて、生き延びてきた人が、あの国にはどれほどいるのでしょう。
竜殺しは、確かにイシュガルドの民にとって、信仰であったのかもしれません。
どうか仇の竜を殺せますように、そのために生きていられますようにと。
生きるのに厳しい土地ですから、なおさらに。
でもその祈りの結果が"脅威は全て殺す"蛮神ナイツオブラウンドなんだよな……
おまけに復讐の果てが"全イシュガルド人の仇"邪竜ニーズヘッグ化なんだよな……
だからといって素直に切り替えられるなら、苦労はないのですけれども。
何であれ、変化についていくのが遅い人は必ず一定数出るものですから(ブレーキ役とも言う)
ところで、3.0以前に機工士が主力を握れてたら、逆に融和が進まなかった可能性高そうだと今になって思いました。あれは平民でも竜を殺しうる武器ですから。
……ここまで何もメインの話進んでないな?
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えーと、アイメリク教皇代理による遊説(だから身軽に動いてたのか)で言葉による説得はできているだろうと。
でも、過去が誤りだったという痛みを抱えて、なお未来に進もうと希望を持つには足りないのかもしれない、という話で。
竜詩戦争の中で磨いてきた心身の強さ。
それを支えるイシュガルド人としての誇り。
四国合同演習で、貴族も平民も関係なく持つそれらに、もう一度気づかせたい……というのがアイメリクさんの狙いでしょうか。
軍事同盟だから物々しい言い方になりますけど、感覚としては親善試合みたいなものですよね。
貴族と平民の混成軍で勝利できれば、仲間意識も芽生えるでしょうし、身分の溝も少しは埋まるかもしれない。
そこにエマネランも出してほしい、という伯爵の提案はびっくりしましたけども。
え、出たとして戦えるん? 大丈夫? 私より早く転がりそうなんですが??(転がすな救国の英雄)
エドモン伯いわく、貴族であっても有事には等しく剣をとることを、エマネラン自身が示さなくてはならないと。
そうでなければ、民の信頼を取り戻すことはできないのだと。
エマネランはあの時指示役しかしてませんものね。
貴族は結局都合の悪い平民を部下に殺させて、自分は関係ないって顔をするんだ。
そんなイメージを抱かせるのに、十分以上の働きをしてしまいましたから。
アイメリクさんは、参加の強い意志があれば歓迎する、とのこと。
ではエマネランを探しに、いつもの場所へ行きましょうか。
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いるかなー、と思ったらホントにいつもの場所にいたので、少し笑ってしまいました。
3.0でのエマネランとオノロワの定位置、マーケットなんですよ。だからギャザクラのジョブクエついでに時々話しかけてて。
ツキカさんがエマネランの中で相棒扱いなのは、こちらのせいではないかと思ってます。閑話休題。
いつもの場所でも、オノロワがいないだけで随分さびしいね。
エマネランのやさぐれぶりは気の毒でもありますが……
重鎮の子が国家の一大プロジェクトに泥塗ったのを、あのフォルタン伯が国のトップに頭下げて、挽回の機会もぎ取ってきたんだよ?
それを「余計なこと」とか怒るよ?
怒ってたわ(ツキカさんが)
初めに動き出すのはいつも、《既に考え抜いている》人たちですから、機が来れば迷いなく振る舞うのは当然ではあって。
エマネランの感じる焦りはきっと、2020年の頃の私たちのように、《突然変化に巻き込まれた》側に共通のこと。
今のイシュガルドでは、ありふれた話のひとつなのでしょう。
みんな損も失敗も間違いもしたくないから、若くて賢いほど"タイパ"だの"スペパ"だの言って、泥くさい道を避けたがるんですよね。
わかるよ、私もやってたし。間違えて無駄にして恥をかいて、みんな剃刀に切り刻まれるような痛みだもの。
自ら傷つきに飛び込む勇気は、痛みを知るほど弱くなるから、惜しむことを知るほど出しづらくなるから。
大人はズルくなるか鈍くなるか、古傷で面の皮を厚くしていくのです。
冒険すら知らないエマネラン、
本当は気づいているんでしょう?
自分で決めないから、何もかもうまくいかないんだって。
……ほら、ね。
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余談。
途中お使いで雲霧街に寄りまして。
「ヒルダと自警団の精鋭がいるなら(イシュガルドが)負けるわけがないだろ!」という台詞が微笑ましかったです。
そうだね、眺める分にはお祭り騒ぎだよね。