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【ワシのヒカセン冒険記】第8話【FF14二次小説】

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■あらすじ
青い豚さん。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【Lodestone】、【Pixiv】で多重投稿されております。

Twitter■https://twitter.com/hisakakousuke
Blog■https://sakatatsunorou.blogspot.com/
Pixiv■https://www.pixiv.net/users/2277819

第1話→https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/character/34040203/blog/4661663/
第7話→https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/character/34040203/blog/4710878/
第9話→https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/character/34040203/blog/4721978/

◇◆◇◆◇>>><<<◇◆◇◆◇





ワシのヒカセン冒険記 第8話


「爺ちゃん聞いて聞いて! 豚さんから加入申請の申し込みが来たの!」

 昼下がりのウルダハ。ザル回廊に在る裁縫師ギルドの区画で、アマジナ鉱山社に卸すコットンスカーフを縫っていると、不意にリンクシェルからツトミちゃんの大声が飛び込んできた。
 豚さん……? と訝りながら一旦裁縫道具を仕舞うと、「そんな種族、おったかの……?」と小首を傾げてしまう。
「豚さん……?」サクノ殿の不思議そうな声がワシに同調する。「と言うと、ポーキーの事ですかね……?」
「「ポーキー?」」ワシとツトミちゃんの声が重なった。
「えぇと、豚の着ぐるみみたいな奴だと思うんですけど……ツトミさんも分からないとなると、もう迷宮入りですね……」サクノ殿の何かを諦めた声が弱く響いた。
「そうそう! 豚の着ぐるみ! もうね~、尻尾がきゅーとなの! これはもう受理せざるを得ないって奴!」
 ツトミちゃんの興奮しきりの喚声に、ワシは少しずつ要領を得て頷く。
「なるほど、種族はさておき、見た目がそのポーキーとやら……豚の着ぐるみ、と」
 想像するだに……不穏だ。一つ言える事は、そんな若葉冒険者はいまい、と言う事。
 つまり、サクノ殿に引き続き、熟達の……ないし、練度の高い冒険者である事は間違いなかろう。
 そんな予想を立てながらウルダハ・ランディングに向けて歩を進める。
「それで、そのポーキー姿の申請者の面談の日時は?」
「えーと、今夜、リムサ・ロミンサの溺れた海豚亭で、だって!」
「了解じゃ。エレット殿は……忙しそうじゃから、また後日改めて連絡を入れるとして、サクノ殿は如何される?」
「私も今夜はちょっと所用が……済みません、間に合うようでしたら駆けつけますので……!」
「無理はなされるな、ウチは緩い規則で成り立っておる訳じゃし」思わず苦笑してしまう。「ちと早いが、先にリムサ・ロミンサで待機しておるよ。鍛冶師ギルドの依頼などでも熟しての」
「じゃあわたしもー。リムサ・ロミンサって道が入り組んでて、すぐどこにいるか分からなくなるんだよねぇ。あらゆる場所に簡易エーテライト置いてくれないかな~」
「景観がガタガタになる気がするんじゃが……」
 雑談に興じながら、想いを馳せる。
 熟達の冒険者であるなら、この緩い規律のフリーカンパニーでどう立ち振る舞うのか、興味が無い訳ではない。
 だが、本当にこのフリーカンパニーで良かったのか? 間違えて申請してしまったのではないか? などと、勘繰ってしまうのも無理からぬぐらいには、活動に実績が無いのだ。
 ただ、ワシの言葉だけが書き殴られた募集文を目にして声を掛けてくれた、その一点に於いては信頼に値する……と言えるだろうか。
 そして気になるのが、見た目が豚の着ぐるみと言う点。一体どんな奇怪な冒険者が待ち受けているのか、今から胸が高鳴るのを抑えられなかった。

◇◆◇◆◇

「……ツトミちゃん? 溺れた海豚亭におるのじゃが、ツトミちゃんどこじゃ?」
 リムサ・ロミンサ、溺れた海豚亭の一角。
 少し余裕を以て訪れたのは良いものの、ツトミちゃんの姿は無く、リンクシェルも反応が無かった。
 併し聞き耳を欹ててみるに……「すぅ……すぅ……」……微かな寝息が聞こえてくる……
「……どこで船を漕いどるか知らんが、大丈夫なんじゃろうか……」
 時折反応が無いと思えば寝ている事が有るツトミちゃんである。本日も御多聞に漏れず、どこかで居眠りしているようだ。
 ワシもそうだが、ツトミちゃんとて冒険者として日々走り回っている身である。疲れも出るし、いつの間にか寝ている事も有ろう。……ワシは無いけれども。
 ともあれ約束の時間は迫っている。今回はワシ一人で面談と言う形になるのだろうか、と店内の奥を見渡した時、ワシは息を呑んだ。
 青い豚がいる。真っ先に浮かんだ感想がそれだった。
 よくよく見ると、青い豚の着ぐるみを纏った何者かが、慌てた様子で駆けて来る様子が窺えた。
「すみませーん! 遅れました~!」
 よく通る女声を響かせて、青い豚の着ぐるみはワシの目の前で深々とお辞儀をしてみせた。
 ワシは惚けた顔を晒すだけで言葉を失っていたが、ハッと我に返って空咳を一つ。
「……相済まぬ、新規加入申請を提出してくれた、ユキミ殿……かな?」
「はい! ユキミです! ゆきみんとか、おい大福、って呼ばれてます!」
 青い豚の着ぐるみ――ユキミ殿は快活に応じ、うんうんと頷いてくれた。
 無表情の豚の被り物が、何故か微笑んでいるように映る。
「…………」再び声を失っていた事に気づき、慌てて再び空咳を挟んだ。「――ワシはヤヅルと申す。今回、面談の場を設けさせて貰ったが、その……率直に問うのじゃが、何ゆえこのフリーカンパニーを選んだのじゃ?」
 奇抜な姿の冒険者と言う事で若干気圧され気味ではあったが、問いたい事は問わねば面談は始まらない。
 表情が一切読めないと言う点では、表情筋の機微から窺える感情の揺らぎなども全く感知し得ないと言うのは難儀だが、はきはきした声調と、人懐こそうな雰囲気が、その見た目以上に取っ付き易い印象を齎していた。
 ユキミ殿が言葉を選んでいるであろう、その空白の間に、「ふわぁ~、あ。今向かうね~」と、慌てた様子も無い、間延びしたツトミちゃんの声がリンクシェルから聞こえてきた。
「ああ、慌てて転ばんようにな」リンクシェルに応答しつつ、ユキミ殿に視線を戻す。「今、サブマスターが向かっておりますゆえ、暫しお待ち頂いても?」
「勿論大丈夫です!」肯定の意を示すようにグッと豚の蹄でサムズアップを見せるユキミ殿からは、やはり友好的な感情しか伝わってこない。
 やがてテッテコテッテコと走ってきたツトミちゃんが、ユキミ殿を観て――いや、ユキミ殿の臀部を観て、「うーん、ぷりちぃ」と頻りに頷き始めた。
「あ、自己紹介が遅れました~、ツトミって言いまーす」ぺこりとお辞儀をするツトミちゃん。「本当に豚さんだぁ……」感想付きだった。
「初めまして! ユキミと言います! ゆきみんとか、おい大福って呼ばれてます!」ビシッと敬礼を返すユキミ殿。「今日は宜しくお願いします!」
「ゆきみん! 宜しくね~」フリフリと手を振るツトミちゃん。「それで爺ちゃん、もうゆきみんは加入したの?」
「ツトミちゃんを待って面談を止めていたところじゃ」気が早過ぎるじゃろ、と思わずツッコミの手を入れてしまう。「改めて問うが、何ゆえこのフリーカンパニーを、数多ある募集の中から選んだのか、お聞かせ願えるかのぅ?」
 連日のように、新たなフリーカンパニーが新設され、同様にメンバーの募集文が貼り出されているのだ。ワシの綴った募集文が埋もれてしまっても無理は無い。
 その中から、敢えてここを選んだ理由を、ワシは知りたかった。
 ユキミ殿は相変わらず感情の読めない豚の被り物をこちらに向けたまま、小さく首肯を返した。
「ちょっと私の話をしますね!」と前置きを挟むと、ユキミ殿は静かに紡ぎ出した。「元々、数年前までフリーカンパニーにいたのですけれど、それ以来ずっと一人で活動してたんです。冒険者仲間もいましたし、このままでも良いかなぁ、って思ってたんですけど、ふとヤヅルさんの募集文が目に留まって」
 ユキミ殿はそこで一旦間を置くと、どこか照れ臭そうに続きを舌に載せた。
「変わった文章だなぁ、って思ったのも確かにそうなんですけど、ここなら安心して過ごせそうだなぁって思いまして。ずっと一人で活動するのも、ちょっと寂しさを感じてたところでしたので、冒険者同士でのんびり過ごせる場所を提供してくれる、って言うのも惹かれた理由の一つです!」
 なので、と空咳を挟むと、ユキミ殿は頭を深々と下げた。
「良ければ、フリーカンパニーに入れてくれると、とても嬉しいです!」
 お辞儀をしたままのユキミ殿に、ツトミちゃんがポンポン、とその肩を叩いて微笑んだ。
「今日から君も【オールドフロンティア】の一員だ!」
 ツトミちゃんが快諾したのを見て取り、ワシも首肯を返す。
「ワシからもお願い申し上げる。今日から共に肩を並べてくれる事を、お頼み申し上げる」
 こちらも頭を下げると、ユキミ殿は「有り難う御座います! 良かったぁ……!」と胸を撫で下ろして喜んでくれた。
「うんうん、こんなぷりちぃな尻尾を逃したらダメだよね」
 ツトミちゃんの視線はユキミ殿の尻尾から逸れる事は無く、ワシは早速不安を感じつつあるのだが、それはそれとして。
 こうして三人目の新規加入者が加わり、残る募集人数の枠は一つとなったのだが。
 その最後の枠も、幾許も間を置かずに埋まる事になる。
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