このストーリーのわだかまりを意識的に作ったのなら、プランナーは天才だし俺はスクエニの株を買う。
わだかまりが顕著なのは、ウクラマトが出した永久人スフェーンへの答えだと思う。
結局物理で解決なんか？とか、お前がやってるそれは虐殺と何が違うんだ？とかとかとか。
それで、このウクラマトが出した答えに対する"どんな形であれ生き続ける事が正しいと私は思うんだけど、君達はどう思う？"ってスフェーンの問いは、暁月でヘルメスの出した"生きる事は絶望なんだから全て終わらせてしまえと俺は思うけど、君達はどう思う？"っていう問いの続きになってるんだと思う。
ヒカセン達は色々聞いて感じて考えて、ヘルメスの問いに対して、何はともあれ生きること、冒険を続ける事に決めた。
そしてその続きにあるスフェーンの問いに対してウクラマトは"たとえ命がなくなっても、思いを受け継いでいる限り、人は生き続けられるんだ"と答えを出す。
俺は、ここがわだかまりの根源だと思う。
暁月でせっかく生きる事を肯定したのに、死ぬ事だって、終わる事だって悪い事じゃあないって言っちゃうとこ。
俺たちの乗り越えた終末は、暁月で出た"生き続けるんだ"って答えはなんだったんだよってとこ。
でもその答えは、"思いを受け継いでいる限り"という条件付きの物だから、別に相反しているわけではないと俺は思う。
永久人デリートの件も、ウクラマトは永久人の声を聞いて彼らの思いを継げたと彼女なりに納得した上での行為なんだと思う。
でもその答えを導いた経路に、あまりにも反論役がいなかった。
クルルさんのパパママとか、カフキワさんとか、ストーリー的にはちゃんと永久人自体消える事に納得してるんだけど、"そうは言っても"みたいなキャラが少ないから説得力がなかった。
ウクラマトの答えに反論する役のエレンヴィルは見送る側だし、あと"納得の上で封印されたけどやっぱ冒険したかったぜ''って言ったグラハってキャラもいたわけだし。
"俺は消えたくない！まだまだ第二の人生を楽しむんだ！"みたいな庶民感情を持った永久人がいて、そいつにプレーヤーを感情移入させた上で消える事に対して前向きに思える様な話があれば良かったかも。
そう考えると、新生〜暁月はそれぞれのパッチでそれぞれ一つの問いに対して長い期間かけていろんな反論を乗り越えて答えを出してたのに対して、今回は"対話によって種族間の不和は乗り越えられるんだぜ！"って答えと上で書いた答え、2つをストーリーに盛り込んでる事がわかる。
今回は新しい冒険ってことで、感情移入出来る新キャラ出さなきゃだし、その為にはそいつの生い立ちや成長の話もしなきゃだし、そんでもって次パッチへの布石も描かなきゃいけないって考えるとやっぱ相当長いストーリーが必要だったんだと思う
でも、"生きるのはいいけどじゃあどう生きるのが正解なのよ？"と言う問いに対するウクラマトの答えがあくまで例の一つでしかなく、この答えを出す事が大きなテーマとなって、今後のパッチでその解決を迎える為の布石としてこのストーリーのわだかまりを意識的に作ったのなら、プランナーは天才だし俺はスクエニの株を買う。
あと、ウクラマトの＂問答無用！お前の話を聞かせてくれ！"って言う性格はちょっと鼻に付くんだけど、本人の語らない物を見聞きする超える力を持ってるヒカセンに対して、超える力を持ってない奴でも人と人は分かり合えるんだぜって事を証明するキャラの描き方としては、まぁこうなるよなと思う。
そう言う意味でも、ウクラマトはヒカセン達の代理描写要員と言うより、似ているとこはあるものの、ヒカセンとは異なるやり方をするって意味でゼノスと近い立ち位置にいる気がする。
にも関わらず味方ポジで、"お前もそう思うよな！"って感じでヒカセンにも周りにも答えを押し付けちゃえる立ち位置だからウザい！ってなっちゃうんだよな。
とは言え、シャットダウンに立ち会った身としては今更ウクラマトの答えを否定することが出来ないし、ゼノスみたいに"似てるとこはあるけど相容れないし明確に敵だから倒す事ができる"ってポジションより遥かに扱いが難しい。
そう考えるとラストでアゼム印のアーティファクトが出たことが布石になっていて、色んなところで色んな人の色んな答えを見ていたであろうアゼムの様に、色んな答えを受け入れつつ、更にそれをブラッシュアップしてヒカセンなりの答え(冒険者とはどう生きるべきか)を見つけてくってのが今後のパッチで描かれると思うんだよね。
だからラマチが苦手って人は、ラマチの答えに賛同したり、感情移入しなくていいと思う。
冒険者の生き方(答え)が、それぞれきっとある筈だから。
