今回の日記は漆黒5.0のネタバレを含みます(今さら5.0のネタバレなんて誰か気にするか?とも思いますが)
ということで今回は漆黒を引っ張る大きな原動力であり、その面白さの要因となったと個人的に感じているエメトセルクというキャラクターについて書きたいなーと思います
すごく簡単な説明で表すならエメトセルクは5.0
のラスボス、というポジションになります
ではRPG或いはFFにおいてラスボス、または敵役とはどんなキャラクターなのか?
まずはここから入っていこうかと思います
ラスボスの類型
①狂気・エゴ暴走型
このタイプは自らの歪んだ欲望や野心を満たすことを目的としています
更に何かしらの強大な力を手にしたことでエゴが暴走するといった形でも描かれます
FFでいうとⅥのケフカやⅦのセフィロス、Ⅸのクジャ辺りが当てはまるかな
②理知的謀略型
こちらは自身の目的を果たすためにある程度冷静に策略や陰謀を用いつつ力を得たり敵を排除するタイプです
ⅩのシーモアとかⅩⅤのアーデン(私ⅩⅤやってないけど…)なんかがこのタイプかと
③絶対悪型
存在自体が悪(破壊や滅びなど)の象徴であるタイプですね
Ⅲの暗闇の雲やⅣのゼロムス、またⅤのエクスデス辺りもこの括りに入るかな
かなり大雑把ですがRPGのボスってこんな感じが多いのでは?と思います(個人的にね)
そしてタイプは様々あれど、これらの類型に共通しているのはあくまで「自身の欲望、野心の実現」が行動原理となっていることです
さてここからエメトセルクの話
彼が上記のボスたちと決定的に違う点、それが上にあげた行動原理の部分です
彼は決して個人の野望を目的として行動していません
ラスボスとしては極めて珍しく、また面白いことに彼の行動の根底にあるのはうしなわれた同胞に対する14人委員会という最高意思決定機関の一人としての責任感や使命感と言ったものです
そしてまさにそのことが彼を特殊かつ魅力的なキャラクターたらしめているといっていいと思います
エメトセルクは自らの使命を果たすことを最大の優先事項と考えています
そのため、単純な敵味方の理論で動かず必要であれば光の(闇かな?)戦士たちとでさえ、交渉や協力関係の対象として接触を図るのです
一方でイノセンスを生み出すことをしつつ、他方でそれを倒そうとする相手と交渉を行う
一見すると理解に苦しむような彼の行動も己の使命、責任を果たすことを最優先するためにその時点で最も効率的な方法を採っていると考えれば腑に落ちると言えないでしょうか?
さらに彼は時に饒舌に、時に辛辣に言葉を発しつつ「我々を理解しろ」と求めます
相互理解を促し、協力体制の可能性を探る?なんて変わった敵なのか!
結果的にエメトセルクとは戦いにより決着をつけることになりますが、そこに至る流れも独特です
対立軸は正義と悪ではなく、それぞれの信じる正義同士のせめぎあいの様相へと変化していきます
また最終決戦という高揚と緊張を抱いてプレイヤーが乗り込んだ先、アーモロートにおいて我々は盛大な肩透かしを喰らいます
幻影とはいえ都市は穏やか、果ては役場への住民登録までするという、これが最終決戦の場なの?と言いたくなるような物語が続くからです
しかし、何を意図してエメトセルクがこの幻影を見せていたのか、その後の世界崩壊の災厄を再現したIDとバトル後のエメトセルクの「ならば忘れるな、私たちも生きていたんだ」という台詞を見ることで我々は強烈なインパクトを持ってそれを受け止めることになります
平穏な日常を突如崩壊させる終末
この落差を目の当たりにすることで過去の遺物、失われた文明という漠然としたイメージが自分たちの日常とリアリティーを伴ってクロスした時の衝撃は私にはかなりのものでした
いろいろな意味でこれまでのラスボス像をいい意味で壊しまくったエメトセルク、彼が今回の物語の主役の一人であったことは間違いないと思います
最後に一つ気になったこと
最初から最後まで意識して見てたわけではないので間違っている可能性があるのですが…
エンディングで流れるカットシーンの中でエメトセルクのカットっておそらく一場面しかないんです
それも、交渉と称して姿を現した場面や、ヤ・シュトラを助け出した場面、ラストバトルの場面などではなく独りで幻影のアーモロートを歩いているバックショットなんですよね
エンディングで使われるからにはそのキャラを最もよく表す場面を持ってくるものではないでしょうか?
とすると、スタッフはあのバックショットこそエメトセルクというキャラクターを最もよく表していると判断した?
この辺りも考えてみるとまた違ったエメトセルクが見えてきそうな気がします
なんか尻切れトンボみたいな日記になってしまいましたが今回は物語の中で唯一無二の存在感を発揮したエメトセルクについて、思うところをダラダラ書かせていただきました
あー、もっと文章力が欲しいなー
それでは今回はこの辺で失礼します
最後まで読んでくださった方、ありがとうございます
ご縁があればまたお目に留まることを願って