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Hime Miko

Kujata [Elemental]

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第一話 森のリスたち 1 《朝食》

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今日も今日とてエオルゼア。

世界の神秘を求めて、黒き影が潜む迷宮の奥底へ。
誉れ高き名誉のために、剣と盾を大空に掲げる。
ひたすらに生き抜くため、自然の力へと立ち向かう。

この世界に住まう「冒険者」たちは、
皆それぞれの理由で、それぞれの意思で、
広大なエオルゼアを旅している。

「姫巫女」

彼女もまた、そんな冒険者の一人であった。



緑豊かな森の都市「グリダニア」

蒼く輝くエーテライトを背に坂を駆け降りると、
大きな木造づくりの建物が見えてくる。

「カーラインカフェ」

この街の冒険者ギルド窓口があるこの場所は、
疲れた体を休める宿であるとともに、
名前の通り冒険者憩いのカフェとなっている。


ある日の朝。

その一角で、一人のミコッテの少女が、

「おいしいいいいいい!」

と、目を輝かせながら歓声を上げていた。

「ナオ殿!この新作パンケーキ、
とっても美味しいのじゃ!」

「わあ、よかった!ありがとうございます、姫巫女さん」

ナオと呼ばれた給仕の女性は、
手にした盆を抱きしめるようにしながら、
ニッコリと顔を綻ばせた。

「フワフワの触感もさることながら、
口に入れたあと、しゅるるうううって、
溶けていく滑らかさがたまらないの♪」

ニコニコしながら、
姫巫女はもう一口分のパンケーキをナイフで切り分け、あーんと大きく開けた口へ運ぶ。

んー♪と声を漏らしながら、
ぴょこぴょこ揺れる身体。

サラリとした長い桜色の髪が
それに合わせてなびく。

対照的な白い髪飾りも
まるで一緒にダンスするかのように
ひらりひらりと舞っていた。


「朝から、こんな朝ご飯を食べられるとは、
姫は幸せ者じゃの」

「ふふふ、お散歩してきて
お腹も空いてらっしゃるでしょうしね」

「空腹は最高のなんちゃらというやつかや?
いやいや、そんなものを差し引いても、
このパンケーキは絶品じゃよ」

「ありがとうございます。
調理係に、姫巫女さんがいっぱい褒めてくれたって、
伝えておきますね」

と、まあ、
ここまでお読みいただいて、お気づきじゃろ…
お気づきだろうが、

この姫巫女というミコッテ。

喋り方が変である。

妙に偉そうというか、仰々しいというか。

姫巫女という名前も、
ここグリダニアはもちろん、
エオルゼアにおいても、聞き馴染みのない響き。

姫、という単語から察するに、
どこぞのお偉い様かという予想。
はたまた、歳をごまかして
300年ほど生きた老婆か妖怪か?

知り合う者が皆、
そんな想像を膨らませることは、
まったく無理のない話である。

しかしながら、
彼女は「冒険者」を名乗っている。

よほど凶悪な存在でない限り、
他人のことに、あれこれと干渉をしない。

これは、そこにおける不文律。

まあ、こんなのもいるだろう。

最終的に、そう落ち着いたのであった。


大体、だ。
髪の色と同じフワフワのしっぽを丸めながら、
んー♪んーー♬と奇声を上げて
パンケーキを頬張るミコッテ。

結構チビだし、
十代半ばくらいの少女で、
色気は完全に何処かへ落としてきたような
ちんちくりんだし…

こんなのが害を及ぼすとは、
森の精霊様でも思うまい。


とにもかくにも、
姫巫女は絶品朝ごはんを堪能中。


その様子を見た他の冒険者も、

「ねえ!私にも同じものをちょうだい!」

「あ、僕にもお願いします!」

「俺は甘いものはちょっとなあ…
でも、見てたら腹が減ってきちまった。
厚切りのベーコンとタマゴ、パンをじゃんじゃん持ってきてくれ」

冒険前の腹ごしらえの様子だ。

なんという宣伝効果だろうか。

「はーい!ただいま!」

ナオは明るくそう答えると、
見えないところで
小さなガッツポーズを決めていた。

狙い通り…!ニヤリ

美味しそうに食べる選手権があれば、
エオルゼアでも上位に食い込むであろう
姫巫女の実力?を考慮した、
カーラインカフェスタッフの作戦勝ちである。


知らぬは本人ばかり也。

当の姫巫女は、

「んーっ、おいしっ♡」

今だ幸せの真っただ中にいた。


が、そんな世界から、
姫巫女を無理やり引きずり出す声が、
突然カフェの中に響く。


「小隊長殿!お食事中申し訳ございません!!」

ダン!と靴底を合わせながら、
両腕を重ねて礼をする男性。

黄色が鮮やかな
双蛇党の制服に身を包む彼をちらりと見て、

「なんじゃ、グングン殿か。おはようなのじゃ」

と、ニッコリと笑顔を見せた。

「もう、びっくりしたぁ…
そんな大声で、しかも敬礼などせんでも、

『やあ、おはよう!』

とでも言うてくれればいいのに」

「そんなわけにはまいりません!
姫巫女大牙士は、我が小隊の隊長!
無礼を申すわけには…

しかし、できましたら
その呼び方はおやめいただけますと…」

敬礼から、直立不動に移行した後、
男は若干、本当に若干不服そうな表情で言った。

「呼び方って…グングン殿のこと?」

「はっ!それであります」

「其方、お名前がグン殿であろ?」

「仰るとおりであります」

「階級は軍曹殿であろ?」

「仰るとおりであります」

「じゃあ、グングン殿であろ?」

「仰る通…いや、どうしてそうなるのですか?」

細身であるが、がっしりとした体つき。
きっちりと制服を着こなす立派な兵隊さん。
歳も姫巫女より、ずっと年上。

たくわえられた男らしい髭は
白いもののほうが多くみられる。

初老、
そんな年齢に差し掛かっているであろう男が、

「グングン殿、可愛くない??」

可愛さを求めるわけがないではないか。

それをわからぬのか、
わざとそうしているのか、
姫巫女は、
ん?と小首をかしげながらそう言うのである。

「はぁ…まあ、
その話はまたさせていただくとして」

とりあえず、早速の訂正を諦め、
グンは、もう一度姿勢を正し、
姫巫女にこう報告した。

「双蛇党本部より、
小隊長どのに任務の依頼がきております!
至急、屯所までお越しください!」

「えー…姫、朝ごはんの途中じゃし」

露骨に嫌な顔をする姫巫女。

だが、グングンは負けない。
ここまでは予想通り。
グングン、頑張る。

「拝見したところ、
間もなくお食事も終えられるご様子。
店の前で待たせていただきます」

たしかに、
円卓に置かれたパンケーキの皿は、
名残惜しそうに残された一切れを残すのみ。

先程までの、
大口であれば、
一口で幸せな朝食は終わってしまいそうだ。

「えと…ほら、おかわりするかもじゃし?」

今思いついた理由を、
バレバレの様子を見せながら言う。

その様子をみて、
グンは大きくため息をつき、

「小隊長殿…依頼を受けたくないのですね?」

そう言った。

姫巫女はギクリとしながらも、
平静を装いつつ、
残りのパンケーキを、
それはもう、ちんまりと切り分け、
口へと運ぶ。

無駄なあがき。

あっという間に、
口の中で溶けたパンケーキを
仕方なしに、ごっくんすると、

「…だって、
なんかイヤな予感するんだもん。
ろくな依頼じゃない気がする」

渋る理由を、正直に告げた。


ここで、疑問に思う方もいるかもしれない。

小隊長、それに先ほどの「大牙士」というのは、
グリダニアのグランドカンパニー
「双蛇党」における役職と階級である。

軍属であるならば、
任務は命令、強制ではないのか?

ごもっともな話だが、
そこは先ほども出た「冒険者」という
姫巫女の立場、本職が関係してくる。

えーっと…

まあ、紆余曲折あって、
遊撃部隊かつ便利屋部隊のような
「冒険者小隊」
を、任されているが
自由気ままにやらせてもらっている。

信じがたいだろうが、そういう状況なのである。


「前回の依頼、覚えておる?
超重要な要人の護衛というから行ってみれば、
すんごくイヤな富豪の相手させられて」

「道中で殴り倒したんですよね」

グンが無表情、かつ遠い目をしながら言う。
よほど思い出したくないことなのだろう。

「だって、姫のことベタベタ触ってくるし、
護衛についてる小隊員のことバカにするし…

でも、ほら!殴られて気絶したおかげで、
寝てる間に目的地に着いたのじゃから
彼奴にとっては、楽だったじゃろ?」

「顔の腫れが数日取れなかったそうですがね…」

「自合意得じゃ。とにかく、気が進まないの。
なんとか、お断りしてたもれ」

もはや、ごまかす必要なし。

自分の結論を告げた姫巫女は、
残ったパンケーキを潔く口の中へと放り込んだ。

美味しい、
が先ほどまでの素晴らしさを感じることができない。

姫巫女は、ふう、と小さく息をつくと、

「ほら、グングン殿。
そんな、この世の終わりのようなお顔せぬのじゃ。

どうせ、大牙佐どのじゃろ?依頼主。

忙しいのでお断りいたしますのじゃーって
お手紙は書いてあげるで、それをもって…あ」


立ち上がった姫巫女が、
グンの腕をポンポンと叩きながら、そう言った時、

カフェの入り口から、
もう一人、双蛇党の制服を着た男性が近づいてくるのが見えた。

見えてしまった。

「やあ、おはよう!姫巫女大牙士」

その男性は、片手をあげて、そう挨拶すると、
にこやかな笑みを浮かべながら、姫巫女の方へと歩いてくる。

奇しくも、
先ほど挨拶の手本と
軍曹に聞かせた台詞。

こういうのは、何から出たまことというのか、の?


コツコツと軽快な靴音を立てながら、
颯爽と歩いてくるその男性に、

「おは、ようございますですのじゃ、
ボルセル大牙佐どの」

ちょっと引きつった笑顔とともに、
朝のご挨拶を返した。

「うん、いい朝だね」

ボルセル大牙佐。

階級は姫巫女より、
まして突然の上官の出現に、
これ以上ない正確さの敬礼をしているグン軍曹よりも、
遥かに格上の幹部である。

「すまないね、軍曹。
君に彼女への依頼を伝えてくれと頼みながら、
こうしてきてしまったよ」

「はっ!いや、しかし、まだ内容について、
お伝えしておらず…」

「そうか、それは丁度いい」

ボルセルは、
姫巫女が座っていた席の対面に座ると、

「君がカフェにいると聞いて、
無性にコーヒーが飲みたくなってね。

食事は終わったようだが、
食後のお茶と思って、
少し付き合ってくれないか?姫巫女くん」

満面の笑顔で、
姫巫女に座るよう促すボルセル。

まさか、依頼主自らお出ましになるとは…

ここで去っては、
あまりにも無粋すぎる。

姫巫女は観念して席に着くと、

「御一緒させていただきますのじゃ」

と、腹をくくったのであった。


≪続く≫

☆この作品はFF14の世界を題材とした二次創作であり、
色々、様々、姫の想像と妄想の夢物語なのじゃ☆
実際の作品、物語、プレイヤーを表すものではございませぬ。
すべての権利は、運営様に帰属するものでございます。
なので、転用しちゃダメじゃよ!!

(C) SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

















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