Personnage

Personnage

Elvis Cartwright

Atomos (Elemental)

Vous n'avez aucune connexion avec ce personnage.

Demandes d'abonnements

Voulez-vous vraiment suivre ce personnage ?

  • 0

【小説 #20】まず自分を

Public
自戒を込めて。

注意
・暗黒Lv50以降前提。
自キャラの設定については、こちらを参照ください。
 ただしこの文に関しては、特に知らなくても大丈夫です。
・Pixivにも投稿しています。

---

「よし、今日も気合を入れていくか」
冒険者らしく、依頼をこなすために立ち上がる。

今日もいくつも依頼を抱えている。
何があっただろうか。

そうだ。預かり荷物の配達、魔物の討滅に、ごろつきの追い払い。
素材を集めて納品もしなければ。彫金もあった。
そういえば、採掘物もあったな...

「全く、一日の時間が足りん...」

夜中まで走り回っても何日かかるだろうか。
休んではいられない。請けた仕事も、待ちもたくさんあるのだ。

そう考え事をしながら街道を歩いていた。

ドンッ
身体に衝撃が走る。
それは、考え事で上の空になっていたために人とぶつかってしまったのだと、すぐに気づいた。

「っと、すまない」
反射的に距離を取り、そして謝ろうと前を見た。

「...君は、前を見ることすら忘れたんですか?」
眼前で仁王立ちし、言葉を投げかけてきた相手は、バルビュートを被った自身の影身、フレイだった。

その声色には呆れと苛立ちが滲んでいた。

***

最近、依頼や制作に追われて、冒険の相方も、自身の影身であるフレイも、そして自分のことさえも、誰もかも放ったままになっていた。

自分自身にも、皆にも負担だとわかっていながら、掛けられる声をおざなりにして、取り組みを止めなかった。

あと少し、あと少しやれば終わる、と。
そうして短くない時間が経った。

気づけば周りには誰もいなくなり、作業の手だけ進んでいった。
きっとそんな状況にしびれを切らしたのであろう、影身の眼光は鋭い。

***

「君には少し説教が必要そうです、ついてきてください」
返す言葉もなく、どこかへ向かう彼の後ろをついていく。

街道をしばらく歩き、そして少し道外れに入る。
そしてたどり着いたのは

「川...?」
「ええ」
疑問の声を特に意に介さない様子で、彼は背中の荷物を下ろした。
そう言えば、両手剣の代わりになにか長物を背負っている。

「君はこれを」
「これを?」
手渡してきたのは、釣り竿だった。よく見ると餌代わりのルアーも付いている。

「何に使うのかわからない、ってことはないですよね?」
彼はそう言って、もう一本を取り出し構えると、目の前の川へと糸を垂らした。

「あ、ああ」
溜まっている作業はどうしたものか。
そう考えかけた時、鋭い視線が向けられたのを感じ、慌てて目の前に集中する。

冒険の相方ほどではないにしろ、釣りはそれなりに嗜んでいる。

(そういえば最近やっていなかったな)
そう思いながら、釣り糸を垂らした。
自分が息抜きに釣りをしていたのを、影身である彼もまた覚えているのだなと思いながら。

***

魚は居そうな川だが、そうすぐにかかるものではない。
しばしの静寂。

「君は」
隣から声が響く。

「なんのために生きていますか?」
「なんのために?」
「ええ。」

答えに窮していると、彼は続ける。

「君が何かを頼まれたり、それに応えたりしている。それは君自身楽しいことなんでしょう。そうでなければこうも続けられはしないはずです」
「...ああ」

「なのにどうして、そんなに苦しそうなんですか。
 取り組んで、周りは見えなくなって、背負って、自分をすり減らして」
哀しげな声が続く。

「どうして、好きなことをして苦しむんですか」

「どうして、自分を大切に出来ないんですか」

「どうして君は、他人に尽くしてしまうんですか」


川のせせらぎが静かに響く。

わかっていた。これは答えを求められているのではない。
説教なのだ、そして、嘆きなのだ。

彼が言葉で伝えてくるそれは、製作の途中や依頼を整理しているときのふとした思考の隙間に浮かび上がってくる、自分自身の言葉と同じもの。

そう、こうして釣りをしながら空を眺めているときなど、よく、浮かぶ。
だからそう、隙を作らないことで考えないようにしてきたのだ。

そのツケが、今ここに形を持って現れている。


「どうして...なのだろうな...」
絞り出すように答えると、彼は諦めたように言った。

「ええ、そうです。これは最初から無意味な問です。君自身が答えを持っていないことなんて、僕は知っていますから」

ちらりと横を見れば、肩をすくめているのが見えた。いつもの彼らしい。

「けれどせめて、自分に向き合う時間くらい作ってください。」
少し抑え気味の声で、彼は続ける。

「僕を呼んでくれれば嬉しいですが、そうじゃなくてもいい。一人でこうして川の音を聞きながら、釣りをしてるのでもいいんです」
かつて君がそうしていたように。彼はそう付け加える。
そうだった。多忙は何もかもを忘れさせる。その事実を思い知らされる。

「誰かのためじゃない、自分のための時間を。そうすれば、自ずと余裕も生まれる、大切な人に気を配ることだってできるようになるはずです。
 それに... 君がやらないといけないと思っていることの八割は、やらなくたっていいことだと思いますよ」
形ばかりの多忙に追われる身には、耳の痛い話だった。

「それは...痛いな」
「...ふふ、効いているようで何よりです」
そっと横顔を見れば、彼の目は笑っていた。

***

「さて、釣れないな」
「ええ、釣れませんね。上がりましょうか」

「いいのか?」
「いいんです。仕事という激流から、こうして君を釣り上げることが出来ましたから」

Commentaires (0)
Écrire un commentaire
ForumsStation MogBlog officiel

Mur de la communauté

Activité récente

Il est possible de filtrer les informations afin d'en réduire le nombre affiché.
* Les annonces concernant les classements ne peuvent pas être filtrées par Monde.
* Les annonces de création d'équipe JcJ ne peuvent pas être filtrées par langue.
* Les annonces de création de compagnies libres ne peuvent pas être filtrées par langue.

Filtrer
Monde d'origine / Centre de traitement de données
Langue
Articles