Personnage

漆黒のお話を振り返った時、一番心に残っているのは水晶公の想いです。
新生の頃、クリスタルタワーの制御のために塔に一人で残り、誰かが起こしてくれるまで眠り続けていたグラハくんのことを今まで忘れたことは無かったけれど、そのグラハくんもヒカセンを忘れずヒカセンの名を追っていてくれたなんて泣いてしまうじゃないですか……。
ヒカセンの数々の偉業が語り継がれ、誰も知っている人がいない時代に目覚めた浦島太郎状態のグラハくんの支えになっていたなんて……。

「エメトセルク」や「エリディブス」という座を表す名には自分の行動の指針や意味が込められていて、エリディブスは自分の願いは忘れてしまっていたけど己のとるべき行動はエリディブスという名があるおかげで覚えていられましたね。
エメトセルクは自分たち古代人のことを覚えていろ、と言いましたが、時の流れの中で脚色されてしまうと分かった上で「覚えていろ」と言うのは、「エメトセルクという者が存在した」「古代人という者たちがいた」という、名前さえ残ればその名前の意味を知る人の心には自分たちの存在が残り続けるということを狙ったものでしょうか。

記憶を文章に残すのは難しいですよね。
どんなにハッキリ思い出せる出来事でも、文章力や、どこを文にして残すか取捨選択が起きるせいで100％の形で文章に残すことはできません。
大事な人との思い出も、ずっと覚えていたいと思っても時間が経つと記憶が脚色され、声を忘れ、顔を忘れ、思い出す機会が減り、どんどん褪せていってしまいます。
ただ、正しく残すことはできなくても名前だけは大事に覚えておくことが出来ると思います。
名前さえ覚えていれば、その人が自分にとってどんな存在だったか意味づけることができます。
例えば彼は友達だった、英雄だった、親友だった、ライバルだった、という具合です。
そして名前が残れば、たとえその人がいなくなった後の世界でも、「○○ならこうしたはず」「○○に見せても恥の無い生き方をしよう」というような行動の指針にもなります。

話が逸れましたが、【名前】がキーワードにすることで
「名前を変えて第一世界に降り立ったグラハティア(水晶公)」
「エメトセルクとしてではなく、本名を明かし、自分の思いをかけて立ちふさがったハーデス」
「座の名を持つ意味に囚われて、自分の本来の願いを忘れたエリディブス」
という、漆黒の中心人物たちの共通点や、逆に違うところが分かりやすくなるんだと思います。
そういえばルナルたち夜の民も真名を明かさない、と言った名前にまつわる掟があったので、漆黒においては総じて【名前】が主題だったのかもしれないですね。
あ、「光の戦士」という名の由来の話も出てたし、やっぱり名前のもつ力ってすごい。


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他に印象に残っている場面は色々あるけど、アサヒの顔面が大好きなうえにファダニエルの振る舞いが好きなので、好き×好き＝大好きってかんじです。

原初世界に戻ってきて、青燐水集めるときにアイメリク様が大量に青燐水くれたとこ、やっぱりアイメリク様はヒカセンのことが大好きすぎるなと思って面白かったです。
たぶんヒカセンはちょっと引いてる。