内容が物好き向けなので結論を先に書きます。
○結論ドマ式麻雀を長く打ち、その成績を評価したいのなら、試合ごとの順位ぐらいはメモっておくといいかもしれません。
ドマ式麻雀に限らず、麻雀の成績を評価するには試合数が必要と言いますが、まずは平均順位のバラツキと試合数の関係を考えてみましょう。
○平均順位と試合数以下の確率で順位をとるモデルを考えます。
1位:25%
2位:25%
3位:25%
4位:25%
このモデルの平均順位は2.5となりますが、実際に試行回数を重ねた場合に2.5ちょうどになるわけではなく、その近傍に分布することになります。
理論上の平均順位2.5からどれぐらいのバラツキが生じるかを標準正規分布で考えます。
平均順位μ、標準偏差σとした場合、μ±σの範囲に含まれる確率は68.27%、μ±2σの範囲に含まれる確率は95.45%となります。
(以後、前者を70%信頼区間、後者を95%信頼区間と呼びましょう)
試合数ごとに各信頼区間の範囲を計算すると以下のようになります。
試合数 70%信頼区間 95%信頼区間
50 2.342~2.658 2.184~2.816
100 2.388~2.612 2.276~2.724
200 2.421~2.579 2.342~2.658
300 2.435~2.565 2.371~2.629
500 2.450~2.550 2.400~2.600
1000 2.465~2.535 2.429~2.571
2000 2.475~2.525 2.450~2.550
3000 2.480~2.520 2.459~2.541
つまりこのモデルの場合、2000試合打った場合に平均順位が2.450~2.550の範囲内に95%の確率で収まることになり、理論上の平均順位2.5にかなり近しくなる一方、
少ない試合数では2.5からかなりバラツキが見られることが分かります。
同様のことを以下の"勝ち組"と"かなりの勝ち組"のモデルで考えましょう。
1位:28%
2位:27%
3位:24%
4位:21%
平均順位2.38
試合数 70%信頼区間 95%信頼区間
50 2.224~2.536 2.068~2.692
100 2.270~2.490 2.159~2.601
200 2.302~2.458 2.224~2.536
300 2.316~2.444 2.253~2.507
500 2.331~2.429 2.281~2.479
1000 2.345~2.415 2.310~2.450
2000 2.355~2.405 2.331~2.429
3000 2.360~2.400 2.340~2.420
1位:30%
2位:30%
3位:25%
4位:15%
平均順位2.25
試合数 70%信頼区間 95%信頼区間
50 2.103~2.397 1.955~2.545
100 2.146~2.354 2.041~2.459
200 2.176~2.324 2.103~2.397
300 2.190~2.310 2.130~2.370
500 2.203~2.297 2.157~2.343
1000 2.217~2.283 2.184~2.316
2000 2.227~2.273 2.203~2.297
3000 2.231~2.269 2.212~2.288
比較して見ると、上位モデルの下ブレと下位モデルの上ブレを「区別」するためには少なくない試合数が必要だということが分かると思います。
これが麻雀の成績を語るには4桁の試合数が必要とよく言われる理由ですね。
○レートと試合数前回の日記で、ドマ式麻雀のレート計算式、収束レートと平均順位の関係式を書きました。
https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/character/27008477/blog/4631451/収束レートの標準偏差も平均順位の標準偏差から計算できるため、関係式をもとにレートに換算すると以下のようになります。
(ただしレートの計算式の前提に注意する必要があります。ビギナーから始めて○試合~という形で参照できるものではありません)
1位:25%
2位:25%
3位:25%
4位:25%
収束R1752.7
試合数 70%信頼区間 95%信頼区間
50 1595~1911 1436~2069
100 1641~1865 1529~1976
200 1674~1832 1595~1911
300 1688~1817 1624~1882
500 1703~1803 1653~1853
1000 1717~1788 1682~1823
2000 1728~1778 1703~1803
3000 1732~1773 1712~1794
1位:28%
2位:27%
3位:24%
4位:21%
収束R1872.7
試合数 70%信頼区間 95%信頼区間
50 1717~2029 1561~2185
100 1762~1983 1652~2093
200 1795~1951 1717~2029
300 1809~1936 1745~2000
500 1823~1922 1774~1971
1000 1838~1908 1803~1942
2000 1848~1897 1823~1922
3000 1853~1893 1832~1913
1位:30%
2位:30%
3位:25%
4位:15%
収束R2002.7
試合数 70%信頼区間 95%信頼区間
50 1855~2150 1708~2298
100 1898~2107 1794~2211
200 1929~2076 1855~2150
300 1942~2063 1882~2123
500 1956~2049 1909~2096
1000 1970~2036 1937~2069
2000 1979~2026 1956~2049
3000 1984~2022 1965~2041
こうして見ると、"かなりの勝ち組"でなくとも、レート2000自体は短期的な好調で届く範囲と言えます。
実力に関係なく50試合ほどでは収束値から±300ほどの範囲に95%がバラつくというのも、好調不調を見る上で抑えておきたいところです。
本来、レートというものは対戦相手のレートが考慮されるため、実力の評価の重要な指標となるはずですが、以下2点の理由により、ドマ式麻雀では収束レートで評価するにあたっても注意が必要です。
①レートの算出には対戦相手のレートが関係していることは公表されているが、その正確な計算式は公表されていない。
②レート1600未満の場合非表示となる仕様のため、必ずしも対戦相手のレートを把握できない。従って、現状のドマ式麻雀においてはレートではなく平均順位の評価で十分と言えるかと思います。
そのためにも、ドマ式麻雀を長く打ってその成績を評価したいと思うのであれば、各試合の順位ぐらいはメモっておくといいかもしれません。