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Yuki Nekomiya

Chocobo [Mana]

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小話: 儚き夜を胸に抱いて(6)

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 わずかに開けた窓の外からは、華やかな喧騒が漏れてきている。そろそろ落ち着いてもいい頃合いのはずだが、街の人たちにとっては初めての『おまつり』なのだろう。ラサラスにとっては飽きるほど見た群青の帳は、けれど彼らにとっては生まれて初めて見るものだ。興奮する気持ちも、わからないではない。
(……に、しても)
 ランプだなんだと、商機とみて奔走する人の姿を思い起こして、くすりと笑みが浮かぶ。人のしたたかさは、どこに行っても変わらないらしい。あるいは、そういう人たちが集った街だからか。異なる文化の中でも変わらないものに、少しばかりほっとする。
 ラサラスにとっては当たり前の、彼らにとっては初めての『不便さ』が、この街にもたらすものはきっと大きな変化だろう。変わらぬ空、変わらぬ光、けれどきっとこれからは。
(いつかは、うんざりされるかもしれないけど)
 いつかはきっと、この『当たり前の不便さ』が厭われることも、あるのかもしれない。人は抗う生き物で、けれども慣れる生き物でもある。お伽話になるほどの時間が流れたなら、きっと「陽の落ちない世界」が便利で羨ましいと思う者だって出てくるだろう。
(まぁ、その時はその時だし)
 遥かな未来のことを考えていても、仕方がない。その時はその時代の人々がきっと、なんとかするだろう。自分としては差し当たって、明日の朝食に何を食べたいか考えておくぐらいでちょうどいいはずだ。
「……明日もきっと大騒ぎだな」
 外から流れてくる風にわずかな湿り気を感じて、ラサラスは小さく笑った。
 明日もきっと、おまつり騒ぎが再燃するに違いない。
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